【ドラムレッスン】パラディドルの練習方法/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回はドラム練習において非常に重要なパラディドルの説明と練習方法について詳しく解説させていただきます。

パラディドル(Paradiddle)は、ドラムにおいて最も基本的で重要なリズムパターンの一つです。
この練習法をマスターすることは、テクニックやリズム感を向上させるだけでなく、ドラムプレイ全体において大きな影響を与えることになります。パラディドルにはいくつかのバリエーションやアプローチがあるため、どのように練習すべきかを見ていきましょう。

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1. パラディドルとは?

パラディドルとは、「右手(R)」と「左手(L)」を組み合わせた一連のドラムのパターンです。
最も基本的なパラディドルは、以下のようになります。

「シングルパラディドル」
ノーマルパラディドル R L R R  L R L L
リバースパラディドル R R L R  L L R L
インワードパラディドル R L L R L R R L
ディレイドパラディドル R L R L  L R L R

片手で2回連続でストロークを行うダブルストローク部分に色を付けると下記のようになります。
ノーマルパラディドル R L R R  L R L L
リバースパラディドル R R L R  L L R L
インワードパラディドル R L L R L R R L
ディレイドパラディドル R L R L  L R L R

ノーマルパラディドルは前半と後半の最後にダブルストロークがきているのに対し、リバースパラディドルは最初にダブルストロークがくるため、ノーマルの反対でリバースと呼ばれます。
そしてダブルストローク部分が1セットの真ん中にきているのでインワードパラディドル、
前半の最後から後半の頭へダブルストローク、後半の最後から前半の頭へダブルストロークすることでダブルストローク部分が遅れて聞こえるように感じる為ディレイドパラディドルと呼びます。

2. パラディドルの基本的な構造

パラディドルのパターンは、4拍子のリズムに組み込まれることが多いですが、その形としては2つの要素に分かれます:
• 手の順番:右手(R)と左手(L)の組み合わせ
• タイミング:4分音符、8分音符、16分音符など、リズムに合わせて叩くタイミング

具体的には、パラディドルの基本的なパターン(R L R R L R L L)を1小節に収める形で演奏します。この基本のパターンを繰り返し練習することで、手の連携やコントロールを高めることができます。

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3. パラディドル練習の前にダブルストロークを練習する

ダブルストローク(ダブルストロークロール)は、片手で2回ずつストロークすることで、ロールの滑らかさやスピードを向上させるための基本テクニックです。練習方法を以下に詳しく説明します。

1. 基本のストロークを確認する

ダブルストロークは、R R L L(右右左左)の順で叩くテクニックです。まずは、シングルストローク(R L R L)のフォームが安定していることを確認してください。

2. ゆっくりしたテンポで始める

〈低速でのコントロール練習〉
1. メトロノームを60〜80BPMにセットする。
2. 腕の動きだけ で「R R L L」と均等に叩く(リバウンドを使わず、しっかり2打ずつ打つ)。
3. 左右差がなくなるまで続ける。
4. 徐々にテンポを上げる。

ポイント
• 2打目が弱くならないように注意。
• フルストローク(スティックを高く上げる)で、しっかりコントロールする。


3. リバウンドを使った練習

〈リバウンドを活用する感覚を養う〉
1. スネアドラムやパッドの反発を使って、力を抜いて2打叩く。
2. 1打目は指と手首で打ち、2打目はリバウンドを活かして自然に鳴らす。
3. 無理にスティックを押しつけず、跳ね返りを感じながらスムーズに。

ポイント
• 指と手首を使ってリバウンドをコントロールする。
• 2打目がしっかり鳴るように意識する。
• 力を入れすぎない(力むとスピードが出にくい)。

4. グラデーション練習

ダブルストロークをスムーズにするために、徐々にリバウンドを活かす練習をすると効果的です。
1. 完全な腕のコントロール(1打目と2打目を同じ強さで打つ)
2. 1打目を腕、2打目を手首(自然な流れを作る)
3. リバウンドを利用して手首と指で調整(スムーズなダブルストロークに移行)

5. アクセントをつける練習

ダブルストロークのダイナミクスを鍛えるために、以下のようなパターンを練習します。

〈アクセント練習〉

① 1打目にアクセント
R R L L → R r L l(大文字部分を強く、小文字部分を弱く)

② 2打目にアクセント
R R L L → r R l L

③ アクセントを交互につける
R R L L → R r l l → r R l l → r r L l → r r l L

この練習により、コントロール力が向上し、実際の演奏でダブルストロークを自在に使えるようになります。

6. 実践的なフレーズに組み込む

ダブルストロークを単体で練習するだけでなく、実際のフィルインやグルーヴの中に組み込んで使えるようにしましょう。

〈ドラムセットを使った応用練習〉
1. スネア→タム→フロアタムでR R L Lを移動させる。
2. バスドラムと組み合わせる(例:R R L L + バス)。
3. ゴーストノートとして活用(ハイハットオープンやスネアのダイナミクスとして)。

7. 高速化のための練習

ある程度コントロールができるようになったら、徐々にスピードを上げていきます。
• メトロノームを使い、少しずつBPMを上げる(最初は80BPM、最終的に120〜160BPMを目指す)。
• 指の動きを意識して手首・腕・指の連携を強化。
• 軽い力で速く叩けるように調整。

4. パラディドルの練習法

初心者向けの練習

ダブルストロークを習得したらいよいよパラディドルの練習です。
パラディドルを初めて練習する場合、まずは非常にゆっくりとしたテンポで練習を始めることが重要です。手の動きが確実にできるようになったら、徐々にテンポを上げていきます。

• ステップ1:まずは、右手と左手を交互に叩く練習から始めましょう。右手と左手でリズムを取ることで、基本的な手の独立性を養います。
例:
• 右手のみ:1-2-3-4
• 左手のみ:1-2-3-4
• ステップ2:次に、ノーマルパラディドルの最初の部分「R L R R」を練習します。この部分を繰り返し、手の動きがスムーズになったら、次に「L R L L」の部分に移ります。
• ステップ3:最終的には、「R L R R L R L L」のフルパターンを練習します。この段階では、テンポを少しずつ上げながらも、正確な手の動きとリズムを維持するようにします。
• ステップ4:慣れてきたらリバースパラディドル、インワードパラディドル、ディレイドパラディドルと進んでいきましょう。

スティックコントロールを意識する

パラディドルの練習では、手のコントロールが非常に重要です。特に右手と左手でスティックの動きに違いが出ないように練習します。手首だけではなく、肘や肩の動きも意識して、自然な力でスティックを叩けるようにしましょう。
• スティックの持ち方:スティックはしっかりと持ちますが、力を入れすぎないようにします。軽い力でコントロールすることが大切です。
• バウンス(反発)を利用する:スティックがドラムヘッドに当たった後、スティックが自動的に跳ね返るのを利用することで、腕や手にかかる負担を減らすことができます。この反発をうまく利用することが、パラディドルの効率的な演奏に繋がります。

足の運動との連携

パラディドルを練習する際には、足(バスドラム)との連携も大切です。パラディドルの基本パターンに足を加えることで、さらにリズム感を鍛えることができます。
• バスドラムとハイハットを組み合わせる:例えば、右手で「R」、左手で「L」を叩く際に、右足でバスドラムを踏み、左足でハイハットを開閉するような練習です。こうすることで、手と足の協調性を高めることができます。

より難易度の高い練習法

パラディドルの基本パターンをマスターしたら、さらに難易度の高い練習法に挑戦しましょう。これにより、パラディドルの理解が深まり、より高度なテクニックを身に付けることができます。
• パラディドルの逆転パターン:基本的な「R L R R L R L L」に対して、逆転パターン(例:L R L L R L R R)を練習することによって、より手の独立性が求められます。逆転パターンを練習することで、両手の使い方にバランスが生まれます。
• パラディドルをシンコペーションする:基本のパラディドルにシンコペーションを加えることで、リズム感がさらに向上します。例えば、パラディドルの一部のノートを遅らせることで、リズムがより複雑になり、ドラムパフォーマンスが引き締まります。
• パラディドルをポリリズムに変える:ポリリズムとは、異なるリズムが同時に演奏されることです。例えば、パラディドルを4/4拍子の中で演奏しつつ、バスドラムは別のリズム(例えば3/4拍子)を叩くことで、さらにリズム感を鍛えることができます。

リズムの変化とフィルイン

パラディドルをリズムパターンに組み込むことで、さらに表現力が増します。例えば、パラディドルを使ったフィルインやリズムチェンジを練習することで、ドラムソロや曲の中での即興演奏にも対応できるようになります。
• フィルインでの使用:パラディドルをフィルインに取り入れることで、動きが複雑で面白くなります。例えば、16分音符のスピードでパラディドルを叩きながら、最後にフラムやスティックでのアクセントを加えると、よりダイナミックな音楽的効果が得られます。

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5.練習の頻度とペース

パラディドルの練習は、毎日少しずつ継続的に行うことが重要です。
短時間で集中して行うよりも、長期的に続けることで手の独立性が養われます。
練習の際は必ずメトロノームを使い、一定のテンポを保ちながら練習することが効果的です。テンポを遅くして手の動きの正確さを確認し、徐々にテンポを上げると良いでしょう。


最後に

パラディドルはドラムの基本的かつ重要な技術であり、これをマスターすることがドラムプレイ全体の向上に繋がります。
初めてパラディドルを練習する方は最初はゆっくりとしたテンポから始め、スティックコントロールや足との連携を意識して練習しましょう。
そして徐々に難易度を上げることで、より高度なテクニックやリズム感を養うことができます。
どんな練習でも継続と忍耐が大切ですので、コツコツと練習を重ねていきましょう。

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