2025/04/13
日本音楽能力検定協会です。
今回は今からドラムを始めるドラム初心者の方を対象に、ドラムスティックの選び方について詳しくご説明させていただきます。
ドラムスティックはドラマーにとって最も重要なツールの一つであり、選び方次第で演奏のしやすさや音のニュアンスが大きく変わります。スティックの素材、形状、重量、バランスなど、様々な要素を理解することで、自分に最適なスティックを選ぶことができます。
楽器屋さんでドラムスティックを購入する際のチェックポイントなども解説しますので、どのようなドラムスティックを選べばよいかまだ分からない方は是非ご参照ください。
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①チップ(Tip)
スティックの先端部分で、シンバルやドラムヘッドに直接接触し、音色を決定する重要な部分です。形状や材質によって音が変わります。
主な形状
•丸型(Round):均一でクリアな音。ジャズやフュージョン向け。
•しずく型(Teardrop):幅広い音色を出せる汎用型。ロックやポップス向け。
•楕円型(Oval):豊かな響きと広がりのあるサウンド。
•円柱型(Barrel):パワフルな音が出やすく、ロック向き。
•三角型(Acorn):温かみのあるサウンドが特徴。
チップの材質
•木製(ウッドチップ):自然な音色が特徴で、クラシックなドラムサウンドに最適。
•ナイロン製(ナイロンチップ):耐久性が高く、シンバルの音がクリアに響く。ロックやポップス向き。
②ショルダー(Shoulder)
チップに続く部分で、ここが太いとスティックの重量が増し、アタックが強くなる。細いとバランスが軽くなり、繊細なコントロールがしやすい。
③グリップ(Grip)
スティックを握る部分で、ここが太いほど安定した打感が得られ、細いとスピードが出しやすくなる。最近では、滑り止め加工が施されたスティックも増えている。
④テーパー(Taper)
ショルダーからグリップにかけての細くなる部分。テーパーが長いほどバランスが前寄りになり、速いスティックワークが可能に。短いとバランスが手元寄りになり、パワフルな演奏に適する。
①ヒッコリー(Hickory)
最も一般的な木材で、適度な弾力と耐久性を持つ。初心者からプロまで幅広く使われている。
特徴
•適度な重さとバランス
•耐久性が高く、長持ちする
•振動の吸収性が良く、手に負担が少ない
適したジャンル
•ロック
•ポップス
•ジャズ
•フュージョン
②メイプル(Maple)
ヒッコリーよりも軽く、速いプレイに向いている。
特徴
•軽量でスピードプレイに最適
•音量が控えめで繊細な表現が可能
•耐久性はやや低め
適したジャンル
•ジャズ
•フュージョン
•クラシック
③オーク(Oak)
ヒッコリーよりも硬く、耐久性に優れる。
特徴
•非常に頑丈で長持ちする
•パワフルな演奏に向いている
•振動を手に伝えやすい(手が疲れやすい)
適したジャンル
•ロック
•メタル
•ハードコア
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いずれは下記の数字の表記も覚えると良いですが、まずは握ってみた感触で選んで構いません。
一般的な表記
•5A:標準的な太さで、オールラウンドに使える
•5B:5Aよりやや太く、パワフルなプレイ向き
•7A:細くて軽く、ジャズや繊細な演奏向き
•2B:非常に太く、ハードヒットに最適
長さの影響
•長いスティック(16.5インチ以上):リーチが長く、遠くのドラムパーツにも当てやすい。ロックやメタル向き。
•短いスティック(15インチ以下):コントロールがしやすく、繊細な表現に向いている。
• ラッカー仕上げ:ツルツルした手触りで、滑らかに動かしやすい。
• 無塗装:素手でのグリップ力が増すため、滑りにくい。
• ラバーハンドル:滑り止め加工が施され、安定したグリップが得られる。
スティックの表面が滑りにくい加工(ラッカー仕上げ)があるものと、つるつるのものがある。
•滑りやすいと感じる場合は、ノンラッカー(無塗装)のスティックや、グリップテープを巻いても良いでしょう。
メリット
1.グリップ力が向上
•スティックが手から滑り落ちにくくなり、安定したプレイが可能。
2.余計な力を使わなくて済む
•強く握らなくても安定するため、手の疲労や負担が軽減される。
3.汗対策になる
•特に手汗をかきやすい人にとっては、汗でスティックが滑るのを防げる。
4.スティックのコントロールがしやすくなる
•細かいフィルやゴーストノートなどの繊細な動きがしやすくなる。
デメリット
1.スティックの感触が変わる
• 素のスティックの質感が好きな人には違和感がある場合がある。
2.スティックの回転(回しやすさ)に影響する
• スティックを回すテクニック(スティックトリック)を多用する人には向かない。
3.耐久性やメンテナンスが必要
• 滑り止めテープやワックスは使用によって劣化し、定期的な交換や手入れが必要。
4.スティックが手に張り付く感覚があることも
• 滑り止めの種類によっては手にくっつくような感触があり、逆に演奏しづらいこともある。
5.コストがかかる
• 滑り止め加工されたスティックは通常のものより高価で、追加のテープやワックスもコストになる。
滑り止めの有無はプレイスタイルや好みによるところが大きいです。
• ハードヒッターや手汗をかきやすい人には滑り止めが有効。
• スティックトリックを多用する人や素の感触が好きな人には不要な場合がある。
試しに滑り止め付きとなしの両方を試してみて、使い心地を比較してみると良いでしょう。
尚、滑り止め付きのスティックは苦手だがどうしてもスティックを落としてしまう方にとっては、ギググリップ、またはグローブなどの使用も有効です。
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• パワフルなプレイなら「オーク+短いテーパー+太め」
• 繊細なプレイなら「メイプル+長いテーパー+細め」
• 万能型なら「ヒッコリー+標準サイズ」
②実際に振ってみる
• スティックのバランスを感じる
• 軽すぎるとスピードが出るが、力が入りにくい
• 重すぎるとコントロールしづらい
③両手のスティックの重量を確認
スティックは自然素材なので、左右の重量バランスが微妙に異なることがある。同じペアでも、振ったときに違和感がないか確認しよう。
スティック売り場に量りが設置されている場合もあるので、量りに乗せて重さを測ってみることをお勧め致します。
④重心バランスの確認
スティックのバランスも重要。
•平らな場所で転がしてみて、真っすぐに転がるかどうか(曲がっていないか)確認する。真っすぐに転がらない場合や曲がって転がる場合はバランスが悪い。
•実際に軽く振ってみて、手に馴染むかチェック。
いずれも頻繁に目にするメーカーですので悪いものはありませんが、メーカーによる違いなどがまだ判別できないうちは、お好きなドラマーが使用しているメーカーのスティックや、ドラムレッスンの先生に勧められたものを購入すると良いでしょう。
アメリカのメーカー
•Vic Firth(ヴィック・ファース)- 世界的に有名なスティックメーカー。耐久性とバランスに優れる。
•Promark(プロマーク)- 高品質なヒッコリー材やオーク材を使用。テキサス州発祥。
•Zildjian(ジルジャン)- シンバルメーカーとして有名だが、Vic Firthを傘下に持ちスティックも製造。
•Vater(ベーター)- 厳格な品質管理が特徴で、プロドラマーにも人気。
•Regal Tip(リーガル・チップ) – ナイロンチップの先駆者。ラッカー仕上げのスティックで有名。
•Los Cabos(ロス・カボス)- カナダ発のメーカー。メイプルやレッドヒッコリー材を使用。
日本のメーカー
•Pearl(パール)- 国内外で愛用されるスティックを製造。ドラムメーカーとしても有名。
•TAMA(タマ)- Starclassicシリーズなどで有名なTAMAのスティックブランド。
•Zenn(ゼン)- 日本の新興ブランド。高品質でリーズナブルな価格帯。
•Wincent Japan(ウィンセント・ジャパン) – スウェーデン発祥だが、日本国内での展開も積極的。
ヨーロッパのメーカー
•Wincent(ウィンセント)- スウェーデンのブランド。独自の耐久コーティング技術を持つ。
•Rohema(ロヘマ)- ドイツの老舗メーカー。伝統的な職人技が特徴。
•Agner(アグナー)- スイスのメーカー。カスタムスティックにも対応。
スティック選びは奥が深く、試行錯誤を繰り返すことで、自分に最適な一本を見つけられます。ぜひ、色々なスティックを試して、自分の理想のサウンドを追求してください。
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今回は今からドラムを始めるドラム初心者の方を対象に、ドラムスティックの選び方について詳しくご説明させていただきます。
ドラムスティックはドラマーにとって最も重要なツールの一つであり、選び方次第で演奏のしやすさや音のニュアンスが大きく変わります。スティックの素材、形状、重量、バランスなど、様々な要素を理解することで、自分に最適なスティックを選ぶことができます。
楽器屋さんでドラムスティックを購入する際のチェックポイントなども解説しますので、どのようなドラムスティックを選べばよいかまだ分からない方は是非ご参照ください。
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1.ドラムスティックの基本構造
ドラムスティックは大きく分けて以下の4つの部分で構成されています。①チップ(Tip)
スティックの先端部分で、シンバルやドラムヘッドに直接接触し、音色を決定する重要な部分です。形状や材質によって音が変わります。
主な形状
•丸型(Round):均一でクリアな音。ジャズやフュージョン向け。
•しずく型(Teardrop):幅広い音色を出せる汎用型。ロックやポップス向け。
•楕円型(Oval):豊かな響きと広がりのあるサウンド。
•円柱型(Barrel):パワフルな音が出やすく、ロック向き。
•三角型(Acorn):温かみのあるサウンドが特徴。
チップの材質
•木製(ウッドチップ):自然な音色が特徴で、クラシックなドラムサウンドに最適。
•ナイロン製(ナイロンチップ):耐久性が高く、シンバルの音がクリアに響く。ロックやポップス向き。
②ショルダー(Shoulder)
チップに続く部分で、ここが太いとスティックの重量が増し、アタックが強くなる。細いとバランスが軽くなり、繊細なコントロールがしやすい。
③グリップ(Grip)
スティックを握る部分で、ここが太いほど安定した打感が得られ、細いとスピードが出しやすくなる。最近では、滑り止め加工が施されたスティックも増えている。
④テーパー(Taper)
ショルダーからグリップにかけての細くなる部分。テーパーが長いほどバランスが前寄りになり、速いスティックワークが可能に。短いとバランスが手元寄りになり、パワフルな演奏に適する。
2.素材の違いと特徴
ドラムスティックの素材は、音色や耐久性、感触に大きな影響を与えます。代表的な素材の特徴を見ていきましょう。①ヒッコリー(Hickory)
最も一般的な木材で、適度な弾力と耐久性を持つ。初心者からプロまで幅広く使われている。
特徴
•適度な重さとバランス
•耐久性が高く、長持ちする
•振動の吸収性が良く、手に負担が少ない
適したジャンル
•ロック
•ポップス
•ジャズ
•フュージョン
②メイプル(Maple)
ヒッコリーよりも軽く、速いプレイに向いている。
特徴
•軽量でスピードプレイに最適
•音量が控えめで繊細な表現が可能
•耐久性はやや低め
適したジャンル
•ジャズ
•フュージョン
•クラシック
③オーク(Oak)
ヒッコリーよりも硬く、耐久性に優れる。
特徴
•非常に頑丈で長持ちする
•パワフルな演奏に向いている
•振動を手に伝えやすい(手が疲れやすい)
適したジャンル
•ロック
•メタル
•ハードコア
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3.スティックの太さと長さ
スティックのサイズは演奏のしやすさに直結します。いずれは下記の数字の表記も覚えると良いですが、まずは握ってみた感触で選んで構いません。
一般的な表記
•5A:標準的な太さで、オールラウンドに使える
•5B:5Aよりやや太く、パワフルなプレイ向き
•7A:細くて軽く、ジャズや繊細な演奏向き
•2B:非常に太く、ハードヒットに最適
長さの影響
•長いスティック(16.5インチ以上):リーチが長く、遠くのドラムパーツにも当てやすい。ロックやメタル向き。
•短いスティック(15インチ以下):コントロールがしやすく、繊細な表現に向いている。
4.コーティングの有無
スティックには、表面加工が施されているものとそうでないものがあります。• ラッカー仕上げ:ツルツルした手触りで、滑らかに動かしやすい。
• 無塗装:素手でのグリップ力が増すため、滑りにくい。
• ラバーハンドル:滑り止め加工が施され、安定したグリップが得られる。
スティックの表面が滑りにくい加工(ラッカー仕上げ)があるものと、つるつるのものがある。
•滑りやすいと感じる場合は、ノンラッカー(無塗装)のスティックや、グリップテープを巻いても良いでしょう。
5.滑り止めの有無
ドラムスティックの滑り止め(グリップ加工や滑り止めテープ、ワックスなど)のメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。メリット
1.グリップ力が向上
•スティックが手から滑り落ちにくくなり、安定したプレイが可能。
2.余計な力を使わなくて済む
•強く握らなくても安定するため、手の疲労や負担が軽減される。
3.汗対策になる
•特に手汗をかきやすい人にとっては、汗でスティックが滑るのを防げる。
4.スティックのコントロールがしやすくなる
•細かいフィルやゴーストノートなどの繊細な動きがしやすくなる。
デメリット
1.スティックの感触が変わる
• 素のスティックの質感が好きな人には違和感がある場合がある。
2.スティックの回転(回しやすさ)に影響する
• スティックを回すテクニック(スティックトリック)を多用する人には向かない。
3.耐久性やメンテナンスが必要
• 滑り止めテープやワックスは使用によって劣化し、定期的な交換や手入れが必要。
4.スティックが手に張り付く感覚があることも
• 滑り止めの種類によっては手にくっつくような感触があり、逆に演奏しづらいこともある。
5.コストがかかる
• 滑り止め加工されたスティックは通常のものより高価で、追加のテープやワックスもコストになる。
滑り止めの有無はプレイスタイルや好みによるところが大きいです。
• ハードヒッターや手汗をかきやすい人には滑り止めが有効。
• スティックトリックを多用する人や素の感触が好きな人には不要な場合がある。
試しに滑り止め付きとなしの両方を試してみて、使い心地を比較してみると良いでしょう。
尚、滑り止め付きのスティックは苦手だがどうしてもスティックを落としてしまう方にとっては、ギググリップ、またはグローブなどの使用も有効です。
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6.スティックの選び方と試奏のポイント
①自分の演奏スタイルを考える• パワフルなプレイなら「オーク+短いテーパー+太め」
• 繊細なプレイなら「メイプル+長いテーパー+細め」
• 万能型なら「ヒッコリー+標準サイズ」
②実際に振ってみる
• スティックのバランスを感じる
• 軽すぎるとスピードが出るが、力が入りにくい
• 重すぎるとコントロールしづらい
③両手のスティックの重量を確認
スティックは自然素材なので、左右の重量バランスが微妙に異なることがある。同じペアでも、振ったときに違和感がないか確認しよう。
スティック売り場に量りが設置されている場合もあるので、量りに乗せて重さを測ってみることをお勧め致します。
④重心バランスの確認
スティックのバランスも重要。
•平らな場所で転がしてみて、真っすぐに転がるかどうか(曲がっていないか)確認する。真っすぐに転がらない場合や曲がって転がる場合はバランスが悪い。
•実際に軽く振ってみて、手に馴染むかチェック。
7.ブランド(メーカー)選び
有名なスティックメーカーには以下のようなものがあります。いずれも頻繁に目にするメーカーですので悪いものはありませんが、メーカーによる違いなどがまだ判別できないうちは、お好きなドラマーが使用しているメーカーのスティックや、ドラムレッスンの先生に勧められたものを購入すると良いでしょう。
アメリカのメーカー
•Vic Firth(ヴィック・ファース)- 世界的に有名なスティックメーカー。耐久性とバランスに優れる。
•Promark(プロマーク)- 高品質なヒッコリー材やオーク材を使用。テキサス州発祥。
•Zildjian(ジルジャン)- シンバルメーカーとして有名だが、Vic Firthを傘下に持ちスティックも製造。
•Vater(ベーター)- 厳格な品質管理が特徴で、プロドラマーにも人気。
•Regal Tip(リーガル・チップ) – ナイロンチップの先駆者。ラッカー仕上げのスティックで有名。
•Los Cabos(ロス・カボス)- カナダ発のメーカー。メイプルやレッドヒッコリー材を使用。
日本のメーカー
•Pearl(パール)- 国内外で愛用されるスティックを製造。ドラムメーカーとしても有名。
•TAMA(タマ)- Starclassicシリーズなどで有名なTAMAのスティックブランド。
•Zenn(ゼン)- 日本の新興ブランド。高品質でリーズナブルな価格帯。
•Wincent Japan(ウィンセント・ジャパン) – スウェーデン発祥だが、日本国内での展開も積極的。
ヨーロッパのメーカー
•Wincent(ウィンセント)- スウェーデンのブランド。独自の耐久コーティング技術を持つ。
•Rohema(ロヘマ)- ドイツの老舗メーカー。伝統的な職人技が特徴。
•Agner(アグナー)- スイスのメーカー。カスタムスティックにも対応。
7.まとめ
ドラムスティック選びは、演奏の快適さとサウンドに大きく影響します。素材、形状、長さ、重量などの要素を理解し、自分のプレイスタイルに合ったスティックを選びましょう。初心者のうちは、まず標準的な「ヒッコリー 5A」から始め、慣れてきたら自分に合うものを探していくのがオススメです。スティック選びは奥が深く、試行錯誤を繰り返すことで、自分に最適な一本を見つけられます。ぜひ、色々なスティックを試して、自分の理想のサウンドを追求してください。
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