音楽検定の目的と存在意義/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。

当協会音楽検定は、音楽理論、演奏技術、楽譜読み書き能力など、音楽に関する知識やスキルを測定し、評価する試験です。
世界各国で様々な形式の音楽検定が実施されており、受検者の目的や専門性に応じて多様な種類が存在します。本稿では、当協会の検定に限らず、音楽検定の存在意義について、多角的な視点から詳しく考察します。

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1.音楽検定の基本的な目的

音楽検定の主な目的は、以下のような点に集約されます。

1. 音楽知識の体系的な評価

•基本的音楽知識の理解
まず筆記試験においては、基本的な音楽知識の有無を問われるため、ギターやベースであれば楽器の各部位の名称、ピアノやトランペットであれば五線譜の読み方や指示記号の意味の理解などが問われます。
近年ではTAB譜やコードダイアグラム、コード譜の掲載されたサイトやDTMなどの普及および進化により、従来の基本的知識を持たないまま演奏を行う方が多く見受けられます。
趣味で楽しむ範囲であればそれでも構いませんが、ご自身が音楽教育において無知であることを自覚しないまま、初学者の方からレッスン料を取る教室を開くような方も多く見受けられます。
これから音楽を始める初学者の方のためにも、最低限の基準をクリアした講師が今後の音楽教育を引き継いでいくためにも、検定資格の取得は非常に有効です。

•専門的音楽知識の理解
基礎的な知識のみならず、高度なスケール理論、コード理論、作曲理論、アドリブ(即興演奏)理論などの理解に繋がる点においても、音楽検定の受検および取得は有意義です。
趣味として演奏する場合には必要なかった理論が問われるため、より多くの専門的知識が必要となります。
専門的知識を学ぶことはより深く音楽の理解に繋がり、プロとしてはもちろん、趣味として音楽を楽しむ場合にも深みが生まれると同時に、あらゆるフレーズや楽曲の意味が理解できるようになります。

2.演奏技術の評価

•ピアノ、ギター、管楽器、弦楽器、声楽(ボーカル)などの実技試験
当協会検定における実技試験は、お好きな曲2曲の動画審査により行います。
音楽教育においては知識面も重要ですが、やはりその知識を活かした実技面により重きが置かれます。
これにより、主観的な自己満足だけでなく客観的評価を得ることで、その演奏技術がより確かなものとして証明できます。

•音楽表現力や演奏の精度の判定
演奏における音程(ピッチ)の正確性、リズム感、表現力、ピアノにおいては打鍵力など、さまざまな角度から演奏技術を評価されるため、こちらもご自身のみの主観的な感想ではなく、専門家から見た客観的な評価を得られます。

3.音楽学習のモチベーション向上

•目標を設定することで練習意欲を高める
特にお子様の音楽学習において、音楽検定の存在は大きくなりつつあります。
ご両親のご希望でお子様がピアノなどの音楽レッスンを受けている場合、お子様ご自身には練習を持続するためのモチベーションがない場合もしばしば見受けられます。
また、プロを目指しているわけではないアマチュアの方なども、何年も同じような活動を継続している場合、時間の経過に連れモチベーションは下がっていくものです。
そこで検定取得という新たな目標を設定することで、さらに知識面・技術面の向上を図るための意欲に繋がります。

•自身の成長を客観的に確認できる
例えば3級受検で不合格だった方が、1年後に再受検をし合格評価だった場合、この1年間の努力が正しかったことの証明となります。
また、英語検定や漢字検定にも見受けられる傾向と致しまして、既に1級を取得したプロの方が毎年同じ1級を受検することで、実力の衰えや低下がないことを確認するという意味でも、検定の受検は非常に有効です。

4.音楽分野における資格・キャリア形成の支援

•音楽教育や指導者の資格要件として活用される
音楽教室の講師になりたい場合、楽団にプレイヤーとして参加したい場合などに、検定の合格証明書は最も有効なアピール材料となります。

•音楽関係の進学や就職活動でのアピール材料となる
学校面接での試験官や就職における人事部の面談などの際、主観的な自己評価ではなく客観的評価が求められます。
英検2級に合格した、漢検1級を持っているなどと同様、ギター検定やピアノ検定の取得は客観的評価の対象となります。


2.音楽教育における音楽検定の役割

(1)初学者の学習指針となる

音楽を学び始めた人にとって、何をどのように学べばよいのかが明確でないことが多いです。
当協会音楽検定では、段階的なレベル設定がなされているため、学習の指針を提供する役割を果たします。
基礎的な知識の理解から高度な音楽理論や演奏技術の習得へと、段階的にステップアップすることができます。


(2)客観的な評価基準を提供する

音楽は主観的な要素が強く、「上手い・下手」の評価が曖昧になりがちです。
しかし、音楽検定では客観的な評価基準が設定されており、合格・不合格という明確な判定が下されます。
これにより、ご自身の現在のレベルを知ることができ、学習の方向性を見直すきっかけになります。
ご自身ではプロ級だと思っていたが5級(初級者)に不合格だった場合、それまでの感覚は主観的な評価であったことに気付くことができ、正しい現在位置から正しい目的地へ向かって歩き始められます。
また、ご自身ではまだまだ中級者くらいだと思っていたため次のステップに進むことを躊躇していた方が、2級(プロ)に合格した場合、自信を持って新たな音楽の道に踏み出せることは間違いありません。

(3)音楽教師や指導者の資質向上

日本全国で多くの音楽教師およびレッスン教室講師の皆様が、ご自身の実力を測るために音楽検定を受検しています。
特に音楽教育機関では、指導者の能力を証明するために一定レベル以上(2級以上)の検定合格を求める場合があります。これにより、指導の質を一定水準以上に保つことができます。


3.音楽業界・職業における音楽検定の意義

(1)音楽家としての信頼性の証明

音楽業界では実力が重視される一方で、客観的な証明手段が限られています。
音楽検定に合格することで、一定のスキルや知識を有していることを示すことができ、仕事の獲得に有利に働く場合があります。
•ギター講師やボイストレーナーが資格を取得することで、生徒にとってこの講師は正しいレッスンを行うことが出来るという証明を得る
•クラシック音楽の演奏家が資格を取得することで、指導者や演奏家としての信頼を得る
•作曲家や編曲家が音楽理論の試験に合格することで、理論的な知識の裏付けを持つ

(2)音楽関連の職業における活用

音楽検定は、演奏家だけでなく、音楽評論家、音楽プロデューサー、サウンドエンジニアなどの職業においても有益です。たとえば、音楽制作の現場では和声学やオーケストレーションの知識が求められるため、それらのスキルを証明できる資格は大きな武器となります。

(3)音楽教育機関・学校での評価

音楽大学や専門学校では、入試の際に音楽検定の結果を参考にする場合があります。
また、ギター教室などの音楽スクールでの教育カリキュラムに組み込まれることもあり、音楽教育と密接に関わっています。
特に、レッスン教室を探している生徒の皆様にとっては、講師が確かな知識や技術を持っているのかを確認するための指針となります。

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4.海外における音楽検定の位置付け

(1)ABRSM(英国王立音楽検定)
イギリスの「ABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music)」は、世界的に認知度の高い音楽検定の一つです。ピアノ、ヴァイオリン、フルートなど幅広い楽器の試験があり、音楽理論も含まれています。この検定は、クラシック音楽の基準として多くの国で採用されています。

(2)トリニティ・カレッジ・ロンドンの音楽検定
ABRSMと並んで有名なのが、トリニティ・カレッジ・ロンドンの音楽検定です。ポップスやジャズの要素も取り入れた試験が特徴で、実践的な音楽スキルを評価します。

(3)アメリカの音楽理論検定
アメリカでは、州ごとに異なる音楽検定が存在しますが、主に大学の入試基準として活用される場合が多いです。

5.音楽検定の課題と未来

(1)音楽の多様性に対応する必要性
現代の音楽はジャンルが多岐にわたり、クラシック、ジャズ、ポップス、ロック、電子音楽など、それぞれ異なるスキルが求められます。
伝統的な音楽検定はクラシック音楽を重視する傾向がありますが、当協会音楽検定では受検者様の活動しているジャンル、または講師として指導している方向性などに合わせてご受検いただけます。

さらに、これまでに存在していた音楽検定はどれも敷居が高く感じられ、より一般的な軽音楽部員やバンドマン、またご両親からの知育目的で音楽教育に触れるお子様や、趣味として楽器演奏を楽しむご年配の方などは対象外でした。
従来の検定は受検レベルも圧倒的に高く、初学者や趣味の方が気軽に受検してみるようなものではありませんでした。
当協会音楽検定は受検レベルも初学者~プロまでと幅広く、受検者の年齢層もお子様~ご年配の方まで、ジャンルにおいてもポップスやロックを中心にジャズやクラシックなど、日本で最も一般的な音楽検定であると言えます。

(2)デジタル化・オンライン化
近年、オンライン試験やデジタル採点システムが導入されつつあります。
当協会音楽検定ではPDFダウンロードによる筆記試験、動画審査による実技試験と、全てオンラインで完結します。
従来の英語検定や漢字検定と異なり、会場試験を行わないため、コロナ禍のような状況下でも影響なく受検および審査を継続可能です。

(3)音楽検定のグローバル化
音楽検定の国際的な標準化が進めば、より多くの音楽家が世界で活躍できるようになります。たとえば、各国で通用する共通の基準が設けられれば、留学や海外での活動がしやすくなるでしょう。

6.まとめ

音楽検定は、学習者にとっての指針となり、教育現場や音楽業界での評価基準として重要な役割を果たしています。今後、音楽の多様性に対応しながら進化し、より多くの人が活用できる形へと発展していくことが期待されます。

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