2025/04/09
日本音楽能力検定協会です。
今回はボーカルレッスンといたしまして、歌の音域を広げるためのトレーニング方法を具体的にご紹介いたします。
ボーカルの音域を広げるには、単に高音や低音を出すだけでなく、声帯の柔軟性・筋力強化・共鳴のコントロールをバランスよく鍛えることが重要です。
ボーカル検定受検はこちらから
最初からいきなり本気の大声を出すと喉を傷めてしまう可能性があるため、しっかりと準備運動を行ってから歌い始めることが重要です。
プロの歌手ほどこのウォーミングアップを念入りに行います。
(1)リップロール(リップトリル)
口を閉じたまま「ブルブルブル…」と唇を震わせながら、低音から高音へ、また高音から低音へ滑らかに移動する練習をします。
• 声帯をリラックスさせ、滑らかなピッチコントロールを身につける。
• 無駄な力みを抑え、高音・低音を出しやすくする。
※リップロールを持続させるには適した息の量が必要となります。息が弱すぎると唇を震わせることが出来ず、逆に強すぎるとすぐにリップロールが止まってしまいます。リップロールを持続させるための息の量が、歌を歌う時の息の量に適していると言われています。
(2)体のストレッチ
首・肩・胸の周りをほぐし、息の流れをスムーズにすることで発声の安定性を高めます。
このストレッチの効果には個人差がありますので、色々と試してみる中でご自身に合ったストレッチ方法を見つけてください。
苦しい音域を無理やり出そうとする感覚は確かに「頑張っている」ような気がするのですが、実はこれは逆効果となり、高音が聞き苦しくなるだけでなく喉も傷めやすくなり、スタミナも持続しません。
例えば野球のスウィング、ボクシングのパンチ、バスケットボールのフリースローなどを思い浮かべていただきますと、確かに手を使ってバットを振ったりボールを投げたりしているのですが、最も重要なのは下半身の強化と安定です。
下半身の強化なくして正しいスウィング、パンチ、スローイング技術が身に着かないのと同様に、高音を出すには低音域で正しい発声が出来ていることが大前提となります。
それではここから、低音域でしっかりと正しい発声が出来るようになるためのトレーニング方法をご紹介します。
(1) ハミング(鼻腔共鳴)
口を閉じた状態で「んー」と言いながら鼻に響かせながら低い音で出す。
これを続けると声帯がリラックスし低音が安定する効果があります。
同時に、低音をしっかり鳴らすことで音域の下限を広げる(低い方に音域を広げる)ことが可能です。
(2)タングトリル(巻き舌)
舌を「ルルルル」と震わせながら、低音から高音へ滑らかに移動する。
このトレーニングは声帯を柔軟にし、より低い音を楽に出せるようになるだけでなく、高い方へ音域を広げるための準備となります。
ここでは代表的なトレーニング方法をご紹介します。
(1)ヘッドボイス(裏声)の強化
ファルセット(息漏れのある裏声)ではなく、息漏れをしない芯のある裏声を作る練習です。
•ウー」や「イー」など、母音を意識して発声する。
•軽く息を流しながら、無理に張り上げずに出す。
•猫を可愛がる時のような声で音程を取ってみる。
•高音から低音へ降りてくるスケール練習(ドシラソファミレドなど)も有効(裏声から始まり最後にはエッジボイスに戻る)。
(2)ニー・ギー発声(舌の位置を高くする)
「ニー」「ギー」と言いながら発声し、高音を出す感覚を掴む。
日本語の母音である「あ」「い」「う」「え」「お」の5つの中で、「い」段と「う」段が最も高音を出しやすい形です。慣れてくると大きく口を開く「あ」「え」「お」などでも同じように高音を出す感覚を掴みやすくなります。脱力した状態で、高音を前方で響かせる感覚で繰り返してみてください。
(3)ネイ発声(ブレイクポイント克服)
「ネイネイネイネイ・・・」と、やや鼻にかかることを意識しながら発声する。
ブレイクポイントとはミックスボイスを習得する際に必ずぶつかる壁のことで、裏声から地声に移行する際、途中で声が引っかかってしまう部分のことです。
このネイ発声トレーニングでブレイクポイントを克服し、裏声と地声の切り替えをスムーズになると、張り上げていない状態で高音が出やすくなり、結果として音域が広がります。
ボーカル検定受検はこちらから
(1)スライド発声
地声から裏声まで音を切らずに繋げる練習。
• 「アー」または「ウー」で、地声→裏声→地声と行き来する。
• できるだけ力みを減らし、スムーズな切り替えを意識する。
(2) サイレン発声
ミックスボイスの習得法として最も代表的なものです。
消防車のサイレンのように「ウーーー」と発声しながら、低音から高音へ、そしてまた低音へと移動します。
最初は最も低いエッジボイスから始まり、地声部分→ミックスボイス(ブレイクポイント)を経由し、最後は完全な裏声(ファルセット)まで移行します。
ボイストレーニングでは現代に近づくにつれ、ミックスボイスの重要性が増しています。
有名なアーティストの歌もミックスボイスを主に使用している曲が多く、もはやミックスボイスの習得なくしては現代の歌は歌えないと言っても過言ではありません。
ボイストレーニングの場面などでしばしば見かける練習方法です。
ご自身でピアノを弾ける方は弾きながらの発声練習でも構いませんし、ご自身でピアノを弾けない方はアプリなどを使用して録音しておくと良いでしょう。
まずC(ド・ミ・ソ)を鳴らす→ドレミレドの順でピアノを弾きながら「あああああー」や「ラララララー」などで歌う→次にC#(ド#・ファ・ソ#)を鳴らす→ド#レ#ファレ#ドの順で歌う→D(レ・ファ#・ラ)を鳴らす→レミファ#ミレの順で歌う→D#(レ#・ソ・ラ#)を鳴らす→レ#ファソファレ#の順で歌う→E(ミ・ソ#・シ)を鳴らす→ミファ#ソファ#ミの順で歌う→F(ファ・ラ・ド)を鳴らす→ファソラソファの順で歌う→F#(ファ#・ラ#・ド#)を鳴らす→ファ#ソ#ラ#ソ#ファ#の順で歌う→G(ソ・シ・レ)を鳴らす→ソラシラソの順で歌う→G#(ソ#ラ#ドラ#ソ#)の順で歌う→A(ラ・ド#・ミ)を鳴らす→ラシド#シラの順で歌う→A#(ラ#・レ・ファ)を鳴らす→ラ#ドレドラ#の順で歌う→B(シ・レ#・ファ#)を鳴らす→シド#レ#ド#シの順で歌う→最初に戻る
歌うメロディーの順番はドレミレドだけでなく、ドレミファミレド、ドミソミドなど自由に変更しても結構です。
(2) キーを下げて無理のない状態で練習
最初はキーを下げて無理のない発声や脱力加減で歌えるよう意識し、慣れてきたら徐々に原曲のキーを目指していくという基本的な練習です。
この練習は声帯の負担を減らしながら徐々に高音に慣れることが出来ますが、カラオケなどでキーを下げるだけですと曲がどんどん先に進んでしまい、苦手部分をすぐに通り越してしまいますので、苦手部分を1フレーズのみ繰り返す練習の方が好ましいでしょう。
最初は出なかった音、または力んでしまっていた音、ブレイクポイントに当たってしまっていた音でも、何度も繰り返しているうちに小さい声でも出るポイントが見つかってきます。
その部分を集中的に練習して声の出口を広げていくイメージです。
最初は蚊の鳴くような頼りない不安定な声だとしても、今までに出なかった音程が、今までに使えていなかった場所から出るようになると、ミックスボイス習得間近です。
その部分を忘れないように集中的に練習を繰り返しましょう。
冒頭で申し上げた通り、高音域を出すためには低音域の安定が必須条件です。
すぐに高音を出したい気持ちは分かりますが、焦って無理に高音を出そうとすると間違った練習法法となってしまい、いつまで経っても音域が広がることはありません。
それどころか喉を傷めてしまったり最悪の場合声を潰してしまう危険性もありますので、無理のない状態で声を出すことを徹底的に意識してください。
特に日本人は勤勉な人種であるため、休まず頑張ることが努力だと思いがちですが、ボーカリストにとっては休息や喉のケアも努力のうちです。
適切な回復方法を覚え、回復してからまた練習を開始するよう心がけましょう。
1.水分補給
声帯にとって乾燥は一番の大敵です。タバコなどによる感想はもってのほかですが、炭酸飲料やコーヒーなども決して良いとは言えません。
アルコールが喉に良くないことは周知の事実ですが、緑茶や紅茶などもカテキンが多く含まれ、喉に負担を与えます。
最も喉にダメージが少ないのはやはり水ですが、飲み過ぎると逆に声が出づらくなりますので、喉が渇いたら口と喉を湿らす程度にしておくと良いでしょう。
2.無理に高音を張り上げない
何度もお伝えしている通り、無理に張り上げる発声は厳禁です。声帯の炎症を防ぐ意味もありますが、何よりも聴き手にとって非常に聞きづらい発声になってしまいます。
それでいて本人は「頑張って出るようになった音域」だと勘違いしやすいので、客観的な評価を聞き入れず、ご自身では高音が出るレベルの高い歌い手であると勘違いしやすくなります。
•睡眠をしっかり取る
睡眠を取ることが重要と言われるとピンと来ない方もいらっしゃるかも知れませんが、睡眠不足の状態では声が出にくいと言い換えるとご理解いただけるかと思います。
1.ウォームアップ(リップロール・ハミング)
2.低音域の強化(ハミング・タングトリル)
3.高音域の強化(ヘッドボイス・ニーギー発声・ネイ発声)
4.ミックスボイスの習得(スライド発声・サイレン発声)
5.実践練習(ピアノスケール・キーを下げた歌唱練習)
6.声帯のケア(休息・水分補給・無理をしない)
地道に続ければ、確実に音域は広がるので、焦らずコツコツ取り組んでみてください。
ボーカル検定受検はこちらから
今回はボーカルレッスンといたしまして、歌の音域を広げるためのトレーニング方法を具体的にご紹介いたします。
ボーカルの音域を広げるには、単に高音や低音を出すだけでなく、声帯の柔軟性・筋力強化・共鳴のコントロールをバランスよく鍛えることが重要です。
ボーカル検定受検はこちらから
1.ウォームアップとストレッチ
声帯や体をほぐすことで、歌うための準備はもちろん、無理なく音域を広げる準備を行います。最初からいきなり本気の大声を出すと喉を傷めてしまう可能性があるため、しっかりと準備運動を行ってから歌い始めることが重要です。
プロの歌手ほどこのウォーミングアップを念入りに行います。
(1)リップロール(リップトリル)
口を閉じたまま「ブルブルブル…」と唇を震わせながら、低音から高音へ、また高音から低音へ滑らかに移動する練習をします。
• 声帯をリラックスさせ、滑らかなピッチコントロールを身につける。
• 無駄な力みを抑え、高音・低音を出しやすくする。
※リップロールを持続させるには適した息の量が必要となります。息が弱すぎると唇を震わせることが出来ず、逆に強すぎるとすぐにリップロールが止まってしまいます。リップロールを持続させるための息の量が、歌を歌う時の息の量に適していると言われています。
(2)体のストレッチ
首・肩・胸の周りをほぐし、息の流れをスムーズにすることで発声の安定性を高めます。
このストレッチの効果には個人差がありますので、色々と試してみる中でご自身に合ったストレッチ方法を見つけてください。
2.まずは低音域を強化する
高音を伸ばすにはまずは低音をしっかり出せることが重要なのですが、このことは意外と知られておらず、無理やりに高い声を出そうとしていればいずれ出るようになると誤解していらっしゃる方が多く見受けられます。苦しい音域を無理やり出そうとする感覚は確かに「頑張っている」ような気がするのですが、実はこれは逆効果となり、高音が聞き苦しくなるだけでなく喉も傷めやすくなり、スタミナも持続しません。
例えば野球のスウィング、ボクシングのパンチ、バスケットボールのフリースローなどを思い浮かべていただきますと、確かに手を使ってバットを振ったりボールを投げたりしているのですが、最も重要なのは下半身の強化と安定です。
下半身の強化なくして正しいスウィング、パンチ、スローイング技術が身に着かないのと同様に、高音を出すには低音域で正しい発声が出来ていることが大前提となります。
それではここから、低音域でしっかりと正しい発声が出来るようになるためのトレーニング方法をご紹介します。
(1) ハミング(鼻腔共鳴)
口を閉じた状態で「んー」と言いながら鼻に響かせながら低い音で出す。
これを続けると声帯がリラックスし低音が安定する効果があります。
同時に、低音をしっかり鳴らすことで音域の下限を広げる(低い方に音域を広げる)ことが可能です。
(2)タングトリル(巻き舌)
舌を「ルルルル」と震わせながら、低音から高音へ滑らかに移動する。
このトレーニングは声帯を柔軟にし、より低い音を楽に出せるようになるだけでなく、高い方へ音域を広げるための準備となります。
3.高音域の強化
高音を出すには声帯を薄く引き伸ばし、共鳴を上手く利用することが重要なのですが、実際にご自身の声帯を見ながら伸縮できるわけではないので、やはり感覚で掴むしかありません。ここでは代表的なトレーニング方法をご紹介します。
(1)ヘッドボイス(裏声)の強化
ファルセット(息漏れのある裏声)ではなく、息漏れをしない芯のある裏声を作る練習です。
•ウー」や「イー」など、母音を意識して発声する。
•軽く息を流しながら、無理に張り上げずに出す。
•猫を可愛がる時のような声で音程を取ってみる。
•高音から低音へ降りてくるスケール練習(ドシラソファミレドなど)も有効(裏声から始まり最後にはエッジボイスに戻る)。
(2)ニー・ギー発声(舌の位置を高くする)
「ニー」「ギー」と言いながら発声し、高音を出す感覚を掴む。
日本語の母音である「あ」「い」「う」「え」「お」の5つの中で、「い」段と「う」段が最も高音を出しやすい形です。慣れてくると大きく口を開く「あ」「え」「お」などでも同じように高音を出す感覚を掴みやすくなります。脱力した状態で、高音を前方で響かせる感覚で繰り返してみてください。
(3)ネイ発声(ブレイクポイント克服)
「ネイネイネイネイ・・・」と、やや鼻にかかることを意識しながら発声する。
ブレイクポイントとはミックスボイスを習得する際に必ずぶつかる壁のことで、裏声から地声に移行する際、途中で声が引っかかってしまう部分のことです。
このネイ発声トレーニングでブレイクポイントを克服し、裏声と地声の切り替えをスムーズになると、張り上げていない状態で高音が出やすくなり、結果として音域が広がります。
ボーカル検定受検はこちらから
4.ミックスボイスの習得
前述のブレイクポイントを克服することで地声と裏声をスムーズにつながるようになり、高音を無理なく出せるようになります。(1)スライド発声
地声から裏声まで音を切らずに繋げる練習。
• 「アー」または「ウー」で、地声→裏声→地声と行き来する。
• できるだけ力みを減らし、スムーズな切り替えを意識する。
(2) サイレン発声
ミックスボイスの習得法として最も代表的なものです。
消防車のサイレンのように「ウーーー」と発声しながら、低音から高音へ、そしてまた低音へと移動します。
最初は最も低いエッジボイスから始まり、地声部分→ミックスボイス(ブレイクポイント)を経由し、最後は完全な裏声(ファルセット)まで移行します。
ボイストレーニングでは現代に近づくにつれ、ミックスボイスの重要性が増しています。
有名なアーティストの歌もミックスボイスを主に使用している曲が多く、もはやミックスボイスの習得なくしては現代の歌は歌えないと言っても過言ではありません。
5.音域拡大のための実践練習
(1) ピアノを使った発声練習ボイストレーニングの場面などでしばしば見かける練習方法です。
ご自身でピアノを弾ける方は弾きながらの発声練習でも構いませんし、ご自身でピアノを弾けない方はアプリなどを使用して録音しておくと良いでしょう。
まずC(ド・ミ・ソ)を鳴らす→ドレミレドの順でピアノを弾きながら「あああああー」や「ラララララー」などで歌う→次にC#(ド#・ファ・ソ#)を鳴らす→ド#レ#ファレ#ドの順で歌う→D(レ・ファ#・ラ)を鳴らす→レミファ#ミレの順で歌う→D#(レ#・ソ・ラ#)を鳴らす→レ#ファソファレ#の順で歌う→E(ミ・ソ#・シ)を鳴らす→ミファ#ソファ#ミの順で歌う→F(ファ・ラ・ド)を鳴らす→ファソラソファの順で歌う→F#(ファ#・ラ#・ド#)を鳴らす→ファ#ソ#ラ#ソ#ファ#の順で歌う→G(ソ・シ・レ)を鳴らす→ソラシラソの順で歌う→G#(ソ#ラ#ドラ#ソ#)の順で歌う→A(ラ・ド#・ミ)を鳴らす→ラシド#シラの順で歌う→A#(ラ#・レ・ファ)を鳴らす→ラ#ドレドラ#の順で歌う→B(シ・レ#・ファ#)を鳴らす→シド#レ#ド#シの順で歌う→最初に戻る
歌うメロディーの順番はドレミレドだけでなく、ドレミファミレド、ドミソミドなど自由に変更しても結構です。
(2) キーを下げて無理のない状態で練習
最初はキーを下げて無理のない発声や脱力加減で歌えるよう意識し、慣れてきたら徐々に原曲のキーを目指していくという基本的な練習です。
この練習は声帯の負担を減らしながら徐々に高音に慣れることが出来ますが、カラオケなどでキーを下げるだけですと曲がどんどん先に進んでしまい、苦手部分をすぐに通り越してしまいますので、苦手部分を1フレーズのみ繰り返す練習の方が好ましいでしょう。
最初は出なかった音、または力んでしまっていた音、ブレイクポイントに当たってしまっていた音でも、何度も繰り返しているうちに小さい声でも出るポイントが見つかってきます。
その部分を集中的に練習して声の出口を広げていくイメージです。
最初は蚊の鳴くような頼りない不安定な声だとしても、今までに出なかった音程が、今までに使えていなかった場所から出るようになると、ミックスボイス習得間近です。
その部分を忘れないように集中的に練習を繰り返しましょう。
冒頭で申し上げた通り、高音域を出すためには低音域の安定が必須条件です。
すぐに高音を出したい気持ちは分かりますが、焦って無理に高音を出そうとすると間違った練習法法となってしまい、いつまで経っても音域が広がることはありません。
それどころか喉を傷めてしまったり最悪の場合声を潰してしまう危険性もありますので、無理のない状態で声を出すことを徹底的に意識してください。
6.休息と声帯のケア
歌い手、またはボーカリストにとっては体や喉が楽器となるため、酷使するだけではなく適度な休息が必要不可欠です。特に日本人は勤勉な人種であるため、休まず頑張ることが努力だと思いがちですが、ボーカリストにとっては休息や喉のケアも努力のうちです。
適切な回復方法を覚え、回復してからまた練習を開始するよう心がけましょう。
1.水分補給
声帯にとって乾燥は一番の大敵です。タバコなどによる感想はもってのほかですが、炭酸飲料やコーヒーなども決して良いとは言えません。
アルコールが喉に良くないことは周知の事実ですが、緑茶や紅茶などもカテキンが多く含まれ、喉に負担を与えます。
最も喉にダメージが少ないのはやはり水ですが、飲み過ぎると逆に声が出づらくなりますので、喉が渇いたら口と喉を湿らす程度にしておくと良いでしょう。
2.無理に高音を張り上げない
何度もお伝えしている通り、無理に張り上げる発声は厳禁です。声帯の炎症を防ぐ意味もありますが、何よりも聴き手にとって非常に聞きづらい発声になってしまいます。
それでいて本人は「頑張って出るようになった音域」だと勘違いしやすいので、客観的な評価を聞き入れず、ご自身では高音が出るレベルの高い歌い手であると勘違いしやすくなります。
•睡眠をしっかり取る
睡眠を取ることが重要と言われるとピンと来ない方もいらっしゃるかも知れませんが、睡眠不足の状態では声が出にくいと言い換えるとご理解いただけるかと思います。
まとめ
音域を広げるためには、低音と高音の両方を鍛え、声帯を柔軟にすることが重要です。1.ウォームアップ(リップロール・ハミング)
2.低音域の強化(ハミング・タングトリル)
3.高音域の強化(ヘッドボイス・ニーギー発声・ネイ発声)
4.ミックスボイスの習得(スライド発声・サイレン発声)
5.実践練習(ピアノスケール・キーを下げた歌唱練習)
6.声帯のケア(休息・水分補給・無理をしない)
地道に続ければ、確実に音域は広がるので、焦らずコツコツ取り組んでみてください。
ボーカル検定受検はこちらから