【ギターエフェクター完全解説】種類と機能、コンパクトエフェクターとマルチエフェクターの違い、買い揃えるべき順番/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回はギターエフェクターについて「種類と機能」、「コンパクトとマルチの長所、短所」「買い揃えるべき順番」など詳しく解説させていただきます。
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エフェクターの種類と機能

1.歪み系(ディストーション系)

ギターの音を増幅・クリッピングさせて歪(ひず)ませるエフェクトです。

①オーバードライブ(Overdrive)
•チューブアンプの自然な歪みを再現するエフェクト。
•軽いクランチサウンドから中程度の歪みまで対応。
•代表的なモデル:BOSS SD-1、Ibanez TS9(チューブスクリーマー)

②ディストーション(Distortion)
•オーバードライブよりも強い歪みを加える。
•ロックやメタルなどのジャンルでよく使用される。
•代表的なモデル:BOSS DS-1、MXR Distortion+

③ファズ(Fuzz)
•ノコギリのようなザラついた音を作る。
•1960年代のサイケデリック・ロックで多用された。
•代表的なモデル:Electro-Harmonix Big Muff、Dunlop Fuzz Face

2.空間系(モジュレーション系 & ディレイ/リバーブ)

音の広がりや揺れを作り出すエフェクト。

①コーラス(Chorus)
•音を微妙に揺らして、厚みのある音にする。
•代表的なモデル:BOSS CH-1、Electro-Harmonix Small Clone

②フランジャー(Flanger)
•飛行機のジェット音のようなうねりを加える。
•代表的なモデル:MXR Flanger、Electro-Harmonix Electric Mistress

③フェイザー(Phaser)
•滑らかなうねりを加えるエフェクト。
•代表的なモデル:MXR Phase 90、BOSS PH-3

④ディレイ(Delay)
•音を遅れて繰り返し再生するエフェクト。
•アナログディレイとデジタルディレイがあり、前者は暖かみがあり、後者はクリアな音質。
•代表的なモデル:BOSS DD-3、Electro-Harmonix Memory Man

⑤リバーブ(Reverb)
•残響を加えて空間的な広がりを作る。
•代表的なモデル:BOSS RV-6、Strymon BigSky

3.フィルター系(ダイナミクス & ワウ)

周波数帯域を強調・変化させるエフェクト。

①ワウ(Wah)
•ペダル操作で特定の周波数を強調し、「ワウワウ」した音を作る。
•代表的なモデル:Dunlop Cry Baby、Vox V847

②イコライザー(EQ)
•各周波数帯域を調整して音のバランスを整える。
•代表的なモデル:BOSS GE-7、MXR 10 Band EQ

③オートワウ(Auto-Wah)/ エンベロープフィルター
•ピッキングの強さによって自動的にワウ効果をかける。
•代表的なモデル:Electro-Harmonix Q-Tron、BOSS AW-3

4.ダイナミクス系(音量・音圧をコントロール)

①コンプレッサー(Compressor)
•小さい音を持ち上げ、大きい音を抑えて音量を均一にする。
•サスティン(音の伸び)を増やす用途でも使われる。
•代表的なモデル:BOSS CS-3、MXR Dyna Comp

②リミッター(Limiter)
•一定の音量を超えないようにする。
•コンプレッサーの一種で、音量のピークを抑える目的で使用。

③ノイズゲート(Noise Gate)
•一定以下の音量をカットし、ノイズを減らす。
•代表的なモデル:BOSS NS-2、ISP Decimator

5.ピッチ系(音程を変化させる)

①オクターバー(Octaver)
•原音より1オクターブ上または下の音を加える。
•代表的なモデル:Electro-Harmonix POG、BOSS OC-5

②ピッチシフター(Pitch Shifter)
•原音とは異なる音程の音を加える。
•代表的なモデル:BOSS PS-6、Electro-Harmonix Pitch Fork

③ハーモナイザー(Harmonizer)
•演奏した音にハーモニーを付加する。
•代表的なモデル:Eventide H9、BOSS PS-6

6.シンセ系(ギターをシンセサイザーのような音に)

①シンセサイザー(Synth)
•ギターの音をシンセのように変える。
•代表的なモデル:Electro-Harmonix Synth9、BOSS SY-1

②リングモジュレーター(Ring Modulator)
•不協和音のような独特の倍音を生み出す。
•代表的なモデル:Moogerfooger MF-102

7.ループ系(録音・プレイバック)

①ルーパー(Looper)
•フレーズを録音し、繰り返し再生する。
•ソロパフォーマンスや練習に便利。
•代表的なモデル:BOSS RC-5、Electro-Harmonix 720 Looper

エフェクターの接続順(一般的な例)

① ダイナミクス系(コンプレッサーなど)

② 歪み系(オーバードライブ、ディストーション)

③ モジュレーション系(コーラス、フェイザーなど)

④ ディレイ / リバーブ(空間系)

この順番は基本的なものですが、個人の好みによって変更可能です。
エフェクターを使いこなせると、音作りの幅が大きく広がります。興味があるジャンルやプレイスタイルに応じて、自分に合ったエフェクターを選んでみましょう。

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コンパクトエフェクターとマルチエフェクターの違い

コンパクトエフェクターとマルチエフェクターは、どちらもギターやベースの音を加工するための機材ですが、構造や使い方に大きな違いがあります。
• コンパクトエフェクター:単一のエフェクト(ディストーション、コーラス、リバーブなど)を備えた小型のペダル。
• マルチエフェクター:一台で複数のエフェクトを切り替えたり組み合わせたりできるデジタル機材。

コンパクトエフェクターの長所・短所

長所
1.音のクオリティが高い
• 各エフェクトが専用設計されているため、音質が良いことが多い。特にアナログ系のエフェクターは独特の温かみのある音が出せる。
2.自由度が高い
• 好きなエフェクターを個別に選んで組み合わせられるため、自分好みのサウンドを追求しやすい。
3.直感的な操作ができる
• 各エフェクターにノブが付いており、即座に音作りが可能。

短所
1.持ち運びが不便
• 複数のエフェクターを使用する場合、ボードにまとめる必要があり、セッティングや運搬が大変。
2.コストがかかる
• 複数のエフェクターを揃えると費用がかさむ。電源やパッチケーブルも必要。
3.音作りの再現性が低い
• ライブやレコーディングで同じ音を作るのが難しく、細かいセッティングを毎回調整する必要がある。

マルチエフェクターの長所・短所

長所
1.一台で多くのエフェクトが使える
• ディストーション、モジュレーション、リバーブ、ディレイなどを自由に組み合わせられる。
2.持ち運びが楽
• すべてのエフェクトが一台にまとまっているため、エフェクターボードを持ち歩く必要がない。
3.設定を保存できる
• 一度作った音をプリセットとして保存し、ライブやレコーディングで簡単に再現可能。
4.コストパフォーマンスが良い
• 個別にコンパクトエフェクターを揃えるよりも安く、多くのエフェクトを使える。

短所
1.音のクオリティがコンパクトに劣ることがある
• 安価なモデルではエフェクトの音質がデジタル感が強く、リアルな質感に欠けることがある。
2.操作が複雑
• メニュー画面での設定が必要なため、即座に音を変更するのが難しい。
3.特定のエフェクトを追加できない
• 一台完結型なので、特定のブランドやモデルのエフェクトを足したくても難しい。

結局どっちを選ぶべき?
(コンパクトエフェクター)
•こだわりの音作りをしたい人
•1つ1つのエフェクトの質を重視する人
•セッティングや機材の扱いに慣れている人

(マルチエフェクター)
•手軽に多彩なエフェクトを使いたい人
•持ち運びを楽にしたい人
•ライブやレコーディングで一貫した音作りをしたい人

それぞれにメリット・デメリットがあるので、使用環境や目的に合わせて選ぶのがベストです。
まずはお手頃なマルチエフェクターを購入し、色々な音を覚えたり調整の仕方を学んだりしてから、より高いクオリティーで必要であると思うエフェクターのみをコンパクトで購入するという手段も考えられます。

コンパクトエフェクターを買い揃える順番

コンパクトエフェクターを買い揃える順番は、演奏スタイルや求める音によりますが、一般的な順番として以下の流れがお勧めです。

1.必須(まずはこれを揃える)

①チューナー(最優先)
音作り以前にチューニングが合っていないとそもそも演奏になりません。
BOSS TU-3やKORG Pitchblackなどが定番です。


②オーバードライブorディストーション(基本の歪み)
ロックやメタルならディストーション、ブルースやポップスならオーバードライブ。
•オーバードライブ:BOSS SD-1、Ibanez TS9、Fulltone OCD など
•ディストーション:BOSS DS-1、ProCo RAT、MXR Distortion+ など

③ディレイorリバーブ(空間系)
音に奥行きを加える効果があります。アンプのリバーブつまみを使用しない場合は特に重要となります。
•ディレイ:BOSS DD-3 / DD-8、MXR Carbon Copy
•リバーブ:Electro-Harmonix Holy Grail、BOSS RV-6

2.発展系(好みに合わせて追加)

④ブースター or EQ(音の輪郭を調整)
ソロ時の音量アップや、音作りの微調整に。
•ブースター:Xotic EP Booster、TC Electronic Spark
•EQ:BOSS GE-7、MXR 10 Band EQ

⑤モジュレーション系(揺らぎや厚みをプラス)
コーラス、フェイザー、フランジャーなど。
•コーラス:BOSS CE-2W、MXR M234
•フェイザー:MXR Phase 90、Electro-Harmonix Small Stone
•フランジャー:BOSS BF-3、Electro-Harmonix Electric Mistress

⑥コンプレッサー(音の粒を揃える)
クリーンなカッティングや、スラップ奏法に効果的。
•MXR Dyna Comp、BOSS CS-3、Xotic SP Compressor

3.特殊系(特殊な効果でさらに音の幅を広げる)
•ワウペダル:Jim Dunlop Cry Baby、VOX V847
•リングモジュレーター:Electro-Harmonix Frequency Analyzer
•シンセ系エフェクター:Electro-Harmonix Synth9、BOSS SY-1

まずはチューナー→歪み→空間系の順番で揃え、その後は好みやプレイスタイルに合わせて追加していきましょう。

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