2025/04/02
日本音楽能力検定協会です。
本日はベースにおけるスラップ奏法の上達方法や具体的な練習法法、また、スラップが生み出された歴史なども併せてご紹介させていただきます。
ベースのスラップ奏法(スラッピング)は、親指で弦を叩いてアタックの強い音を出すサムピングと、人差し指や中指で弦を引っ張り指板にぶつけることでパーカッシブな音を出すプラッキングを組み合わせたテクニックです。
ファンクやロック、フュージョンなどで多用され、リズミカルで力強いグルーヴを生み出します。スラップ奏法をマスターするためには、基本のフォームを固めた上で、リズム感やフレージングのセンスを磨いていくことが重要です。
本記事では、初心者向けの基礎から応用テクニック、効率的な練習方法まで詳しく解説します。
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• ベースの位置: 低すぎると手首に負担がかかりやすくなるので、普段より少し高めの位置に調整すると良い。
• ストラップの調整: 座っているときと立っているときで大きくポジションが変わらないようにする。
• 親指(サム)の位置: 親指はネック寄りのフロントピックアップ付近に置くことが一般的。
• 手首の角度: 手首は軽く曲げる程度で、自然に力が抜けた状態にする。
• 手の振り: 指だけで叩くのではなく、手首を少し回転させるようにして動かす。
• 左手の親指はネックの裏の中央に軽く添えるのみのクラシックフォームが基本だが、フレーズによってはネックの上から親指を握り込むロックグリップも使用する。
• 親指ミュート: ロックグリップの場合、低音弦を親指で軽く触れて音を止める。
• 指の腹ミュート: フレットを押さえていない指の腹で軽く弦に触れることで、不要な響きを防ぐ。
• 叩く位置: 4弦や3弦を叩く場合はフロントピックアップ付近で行う。
• 親指の角度: 弦に対してほぼ垂直に当てるが、少し斜めにしてリバウンドしやすくする。
• リバウンド:サムピング直後に再びサムピングをしたい場合、 叩いた後にすぐに弦から離れることで、クリアな音が出る。
・打ち抜き:サムピング直後にプラッキングを行う場合、リバウンドしてしまうと次のプラッキングが出来ないため、叩いた弦の次の弦まで親指を打ち抜くことでキープします。その際にプラッキングをする人差し指を次の音の弦の下に準備できるよう意識します。
練習方法
1. 開放弦を使ってリズムをキープ
• 4弦の開放を「ボンボンボンボン」と均等に叩く練習。
• メトロノームを使ってBPM60 から始め、徐々にスピードを上げる。
2. 他の弦も含めた練習
• 4弦→3弦→2弦→1弦の順に親指でスラップして、均等な音を出す。
• 引っ張る角度: ほぼ直角に上へ持ち上げるようにする。
• 力加減: 力を入れすぎると音が潰れるので、最小限の力で素早く離す。
• 音量:練習する際に少し音量を大きめにすると、力みのない脱力したフォームが手に入ります。逆に音を小さくしてしまうと、より大きな音を出そうとするため無意識に力んでしまうことがあります。
練習方法
1. 1弦の開放を均等に引っ張る
• 1弦開放を 4 分音符や 8 分音符でプルする。
• 音量が均一になるように意識する。
2. サムピングと組み合わせる
• 4弦をスラップ → 1弦をプル の交互で行い、リズム感を鍛える。
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スラップはリズムが重要なので、必ずメトロノームを使う。
• BPM60から始めて、均等なリズムでスラップ&プルを繰り返す。
• 16分音符のリズムを意識して、慣れるに従いゆっくりから徐々に速くしていく。
② ゴーストノート
左手を軽く弦に触れてミュートした状態で叩き、パーカッシブな音を作る。
• 「スラップ → ゴーストノート → プル → ゴーストノート」の形で練習。
ファンクベースでよく使われるオクターブ奏法をスラップに応用。
• 例: 「3弦3フレットをサムピング → 1弦5フレットをプラッキング」の繰り返し。
②LeftHand Hitting Mute(LHM)
左手を弦に叩きつけることでミュート音を出す奏法です。
強く叩きすぎると弦を押さえてしまいハンマリングになるため、音が出てしまいます。
弦だけを叩いてカチッという音が出せるようになるまで繰り返し練習しましょう。
• サムピング(Thumping):親指で弦を叩き、バスドラムのようなアタックの強い低音を作る
• プル(Pulling):指で弦を引っ張って弾き、スネアドラムのようなアタックの強い高音を作る
この奏法を駆使し、ラリー・グラハムはスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)やグラハム・セントラル・ステーション(Graham Central Station)で、スラップ奏法を前面に押し出したファンキーなベースラインを確立した。
代表曲:
• 「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」(1969)
• 「Hair」(1973)
(1) ルイス・ジョンソン(Louis Johnson)
The Brothers Johnson のベーシストとして活躍し、スラップ奏法をよりテクニカルに発展させた。彼のスラップは、親指のスナップを強調し、よりクリアでアグレッシブなサウンドを生み出した。
代表曲:
• 「Stomp!」(1980)
• マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」「Get on the Floor」などのベースを担当
(2) マーカス・ミラー(Marcus Miller)
1980年代に入ると、ジャズ・フュージョンの分野でスラップが活用されるようになり、その中心的存在となったのがマーカス・ミラー。彼はスラップに加えて、ゴーストノートやハーモニクスを駆使し、グルーヴィーかつ洗練されたベースラインを作り上げた。
代表曲:
• 「Run for Cover」(1986)
• 「Power」(1993)
(1) ダブルサム(Double Thumb)
ヴィクター・ウッテンは、親指でダウンストロークとアップストロークの両方を使う「ダブルサム奏法」を開発。これにより、より速く、複雑なフレーズを演奏できるようになった。
(2) タッピングやコードを交えたスラップ
スラップ奏法を単なるリズム的な奏法ではなく、メロディアスなフレーズに組み込むアプローチも登場。ヴィクター・ウッテンは、スラップにタッピングやコード弾きを組み合わせ、まるでギターのようなフレーズを弾くことが可能になった。
代表曲:
• 「Classical Thump」(1996)
• 「U Can’t Hold No Groove」(1996)
代表的な現代のスラップベーシスト:
• フリー(Flea / Red Hot Chili Peppers):「Aeroplane」「Higher Ground」
• マーク・キング(Mark King / Level 42):「Love Games」
• ダヴィ・504(Davie504):YouTubeで超絶スラッププレイを披露
・1970~80年代:ルイス・ジョンソンやマーカス・ミラーがスラップを発展
・1990年代以降:ヴィクター・ウッテンがダブルサムやタッピングを導入し超進化
・現代:スラップは幅広いジャンルで活用され、様々なテクニックと融合
スラップ奏法はただの演奏技法ではなく、ベースの役割を大きく変えた革新的なスタイルです。
リズム楽器だったベースを、よりアグレッシブで表現力豊かな楽器へと進化させた重要な要素のひとつと言えます。
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本日はベースにおけるスラップ奏法の上達方法や具体的な練習法法、また、スラップが生み出された歴史なども併せてご紹介させていただきます。
ベースのスラップ奏法(スラッピング)は、親指で弦を叩いてアタックの強い音を出すサムピングと、人差し指や中指で弦を引っ張り指板にぶつけることでパーカッシブな音を出すプラッキングを組み合わせたテクニックです。
ファンクやロック、フュージョンなどで多用され、リズミカルで力強いグルーヴを生み出します。スラップ奏法をマスターするためには、基本のフォームを固めた上で、リズム感やフレージングのセンスを磨いていくことが重要です。
本記事では、初心者向けの基礎から応用テクニック、効率的な練習方法まで詳しく解説します。
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1. スラップの基本フォームを固める
① ベースの構え方
スラップは右手の動きが大きくなるため、ベースの持ち方が重要です。• ベースの位置: 低すぎると手首に負担がかかりやすくなるので、普段より少し高めの位置に調整すると良い。
• ストラップの調整: 座っているときと立っているときで大きくポジションが変わらないようにする。
② 右手のポジション
スラップのサウンドを安定させるためには、右手の位置をしっかり決めることが大切です。• 親指(サム)の位置: 親指はネック寄りのフロントピックアップ付近に置くことが一般的。
• 手首の角度: 手首は軽く曲げる程度で、自然に力が抜けた状態にする。
• 手の振り: 指だけで叩くのではなく、手首を少し回転させるようにして動かす。
③ 左手のフォーム
スラップでは不要な弦が鳴らないように左手でしっかりミュートをする。• 左手の親指はネックの裏の中央に軽く添えるのみのクラシックフォームが基本だが、フレーズによってはネックの上から親指を握り込むロックグリップも使用する。
• 親指ミュート: ロックグリップの場合、低音弦を親指で軽く触れて音を止める。
• 指の腹ミュート: フレットを押さえていない指の腹で軽く弦に触れることで、不要な響きを防ぐ。
2. スラップの基本テクニック
① サムピング(サム)
親指で弦を叩く動作。スラップ奏法の核となるテクニック。• 叩く位置: 4弦や3弦を叩く場合はフロントピックアップ付近で行う。
• 親指の角度: 弦に対してほぼ垂直に当てるが、少し斜めにしてリバウンドしやすくする。
• リバウンド:サムピング直後に再びサムピングをしたい場合、 叩いた後にすぐに弦から離れることで、クリアな音が出る。
・打ち抜き:サムピング直後にプラッキングを行う場合、リバウンドしてしまうと次のプラッキングが出来ないため、叩いた弦の次の弦まで親指を打ち抜くことでキープします。その際にプラッキングをする人差し指を次の音の弦の下に準備できるよう意識します。
練習方法
1. 開放弦を使ってリズムをキープ
• 4弦の開放を「ボンボンボンボン」と均等に叩く練習。
• メトロノームを使ってBPM60 から始め、徐々にスピードを上げる。
2. 他の弦も含めた練習
• 4弦→3弦→2弦→1弦の順に親指でスラップして、均等な音を出す。
② プラッキング(プル)
人差し指または中指で弦を引っ張り、指板に当ててパーカッシブな音を出す。• 引っ張る角度: ほぼ直角に上へ持ち上げるようにする。
• 力加減: 力を入れすぎると音が潰れるので、最小限の力で素早く離す。
• 音量:練習する際に少し音量を大きめにすると、力みのない脱力したフォームが手に入ります。逆に音を小さくしてしまうと、より大きな音を出そうとするため無意識に力んでしまうことがあります。
練習方法
1. 1弦の開放を均等に引っ張る
• 1弦開放を 4 分音符や 8 分音符でプルする。
• 音量が均一になるように意識する。
2. サムピングと組み合わせる
• 4弦をスラップ → 1弦をプル の交互で行い、リズム感を鍛える。
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3. リズムを意識した基礎練習
① メトロノームを活用スラップはリズムが重要なので、必ずメトロノームを使う。
• BPM60から始めて、均等なリズムでスラップ&プルを繰り返す。
• 16分音符のリズムを意識して、慣れるに従いゆっくりから徐々に速くしていく。
② ゴーストノート
左手を軽く弦に触れてミュートした状態で叩き、パーカッシブな音を作る。
• 「スラップ → ゴーストノート → プル → ゴーストノート」の形で練習。
4. スラップフレーズの応用
① オクターブフレーズファンクベースでよく使われるオクターブ奏法をスラップに応用。
• 例: 「3弦3フレットをサムピング → 1弦5フレットをプラッキング」の繰り返し。
②LeftHand Hitting Mute(LHM)
左手を弦に叩きつけることでミュート音を出す奏法です。
強く叩きすぎると弦を押さえてしまいハンマリングになるため、音が出てしまいます。
弦だけを叩いてカチッという音が出せるようになるまで繰り返し練習しましょう。
ベースのスラップ奏法の起源と進化
1. スラップの誕生:ラリー・グラハム
スラップ奏法の生みの親とされるのは、ラリー・グラハム(Larry Graham)。彼は1960年代後半、母親のオルガン演奏をサポートするためにベースを演奏していたが、当時はドラムがいなかった。そのため、リズムセクションの役割をベースで補う必要があった。そこで考案されたのが、以下の2つのテクニック。• サムピング(Thumping):親指で弦を叩き、バスドラムのようなアタックの強い低音を作る
• プル(Pulling):指で弦を引っ張って弾き、スネアドラムのようなアタックの強い高音を作る
この奏法を駆使し、ラリー・グラハムはスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)やグラハム・セントラル・ステーション(Graham Central Station)で、スラップ奏法を前面に押し出したファンキーなベースラインを確立した。
代表曲:
• 「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」(1969)
• 「Hair」(1973)
2. スラップの発展:ルイス・ジョンソンとマーカス・ミラー
ラリー・グラハムが確立したスラップ奏法は、1970年代から1980年代にかけて、さらに進化を遂げる。(1) ルイス・ジョンソン(Louis Johnson)
The Brothers Johnson のベーシストとして活躍し、スラップ奏法をよりテクニカルに発展させた。彼のスラップは、親指のスナップを強調し、よりクリアでアグレッシブなサウンドを生み出した。
代表曲:
• 「Stomp!」(1980)
• マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」「Get on the Floor」などのベースを担当
(2) マーカス・ミラー(Marcus Miller)
1980年代に入ると、ジャズ・フュージョンの分野でスラップが活用されるようになり、その中心的存在となったのがマーカス・ミラー。彼はスラップに加えて、ゴーストノートやハーモニクスを駆使し、グルーヴィーかつ洗練されたベースラインを作り上げた。
代表曲:
• 「Run for Cover」(1986)
• 「Power」(1993)
3. スラップの超進化:ヴィクター・ウッテンとダブルサム
1990年代以降、スラップはさらに高度な技術を取り入れた奏法へと進化。特に影響力を持ったのがヴィクター・ウッテン(Victor Wooten)。(1) ダブルサム(Double Thumb)
ヴィクター・ウッテンは、親指でダウンストロークとアップストロークの両方を使う「ダブルサム奏法」を開発。これにより、より速く、複雑なフレーズを演奏できるようになった。
(2) タッピングやコードを交えたスラップ
スラップ奏法を単なるリズム的な奏法ではなく、メロディアスなフレーズに組み込むアプローチも登場。ヴィクター・ウッテンは、スラップにタッピングやコード弾きを組み合わせ、まるでギターのようなフレーズを弾くことが可能になった。
代表曲:
• 「Classical Thump」(1996)
• 「U Can’t Hold No Groove」(1996)
4. 現代のスラップ奏法
現在のスラップ奏法は、ファンクやジャズだけでなく、ロックやメタル、ポップスなど幅広いジャンルで使用されている。特にテクニカルなベーシストは、ダブルサムやプル、タッピング、ゴーストノートなどを駆使し、より洗練されたスタイルへと発展している。代表的な現代のスラップベーシスト:
• フリー(Flea / Red Hot Chili Peppers):「Aeroplane」「Higher Ground」
• マーク・キング(Mark King / Level 42):「Love Games」
• ダヴィ・504(Davie504):YouTubeで超絶スラッププレイを披露
まとめ
・1960年代後半:ラリー・グラハムがドラムの代わりにスラップ奏法を考案・1970~80年代:ルイス・ジョンソンやマーカス・ミラーがスラップを発展
・1990年代以降:ヴィクター・ウッテンがダブルサムやタッピングを導入し超進化
・現代:スラップは幅広いジャンルで活用され、様々なテクニックと融合
スラップ奏法はただの演奏技法ではなく、ベースの役割を大きく変えた革新的なスタイルです。
リズム楽器だったベースを、よりアグレッシブで表現力豊かな楽器へと進化させた重要な要素のひとつと言えます。
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