【注意】合格後にお金を払わせるボーカルオーディション詐欺にご注意ください/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回は、近年ネット広告などで散見されるボーカルオーディション詐欺についてご説明させていただきます。
・ネット広告で見かけたボーカルオーディションを受けようと思っている
・既にオーディションに合格し、何かしらの金銭を払う予定がある
という方は特に今回の内容をご参照いただければと思います。

音楽検定HPはこちらから

ボーカルオーディション詐欺の手口

この詐欺手法は少なくとも25年~30年前からは確実に存在しています。
当時は雑誌やテレビの広告、現代ではSNSやYouTube、その他アプリ使用中の広告などでよく目にします。

・顔出しNGで歌手デビューできる!
・歌声を褒められたことがある人
・カラオケで〇点以上出せる人はプロになれる!
などという文言で応募者を募ります。

歌手に憧れている、あるいはデビューを目指している多くの方がこのオーディションに参加し、指定の日時にオーディション会場で歌声を披露し、「後日合格発表を行う」と言われその日は解散します。
後日電話やメールなどで「あなたは合格しました」と連絡が来て、その後の流れを説明されます。

ここまでではまだ詐欺であるとは断定できかねますが、この後の流れの中で下記に該当する文言が出てきたら要注意、または詐欺と断定し、すぐに連絡を取ることを止めてください。
・デビューに向けてボイストレーニングを行うので、レッスン料〇十万円
・アーティスト写真を撮影するので撮影費用が〇万円
・曲を作ってPV撮影をするので費用が〇十万円

・プロジェクト着手金として〇十万円
・会社との契約金として〇百万円
この他にも様々な言い方があるかと存じますが、とにかくオーディション合格後に何かしらの名目でお金を請求してくるものは100%詐欺です。

歌手デビューするためにアーティスト側がお金を払うことは一切ない

そもそもオーディションというのは「まだ世に出ていない才能を発掘するためのもの」であったり、「力はあるが売れるためのやり方が分からない人を応援するためのもの」です。
それはつまり、埋もれていた才能を世に売り出すための「バックアップ体制が整っている」ことが最低条件であるはずです。
しかし実際には、その手のオーディションに合格してそ大金を払ったとしても、その後待っているのは会社のYouTubeチャンネルに動画を公開し「形式的には今デビューした」などと言われ、その動画の再生数が伸びなくても「それは自分の努力が足りない」と言われて終わりです。

本来デビューというものはプロダクションなどにその実力を認められ、もしくは将来性に期待され、会社が応援してくるはずのものです。

別の事例に例えて申し上げますと、あなたがある会社の社長、もしくは人事を担当している立場で新入社員の面接をしたとします。
面接に来た新入社員候補の履歴書を確認し、質疑応答をし、マナーや態度をチェックし、「この人は我が社で働いてもらうに相応しい。この人であれば会社に貢献し、売り上げに貢献してくれるだろう」と思ったら採用します。
これはオーディションと同じ形式と言えます。

面接の結果、合格を言い渡した新入社員に対し、「それではこれから君を社員として育てるのでお金を〇十万円払いなさい」と言う会社があるでしょうか?そんなことはあり得ないのです。

オーディションに合格したということはあなたはその会社の社員になったと言えます。
普通の会社であればあなたと会社が一緒に頑張る、音楽の業界であればあなたという商品を会社が売り出すという関係性になるはずです。
商品側(あなた)が会社にお金を払うことなどあるはずがないのです。

もう一つ別の例えをさせていただくと、八百屋さんがリンゴを仕入れてきて売り出します。
美味しそうなリンゴ、形の良いリンゴ、珍しいリンゴなど、とにかく売れそうなリンゴを探している段階がオーディションです。
そこで仕入れてきたリンゴに対して「お金を払え」と言っているのと同じ状態です。
八百屋さんがリンゴに対してお金を請求するということが、どれだけ滑稽なことかご理解いただけますでしょうか?
八百屋さんはリンゴを売ることでお金を得るのです。リンゴからお金をもらうわけがありません。

会社側は自分が仕入れた商品が売れるようにお店での陳列や売り文句、また活動方法やマーケティングを一生懸命考える、商品側は会社の売り上げに貢献できるよう努力する、これこそが、「アーティストを売り出して利益を上げたい会社」と「オーディションに合格したアーティスト」との正しい関係性です。

しかし残念ながらそういったオーディション詐欺の会社はあなたを売り出すつもりは全くなく、最初からプロデュース代や契約金、作曲費用やボイストレーニング費用と言う名目でお金を取る目的です。
その証拠に、オーディションを受けた方はほぼ間違いなく全員が合格しています。
歌に関して全くの素人の方ももちろん、才能や可能性を感じない方でも合格させること自体が、その後お金を搾取するための詐欺である何よりの証拠です。

他ジャンルにも同様の詐欺が存在する

この手のオーディション詐欺はボーカルオーディションだけでなく、他の業界にも多く存在します。

本を執筆する作家の世界にも似たものがあり、作家デビューを目指す若者が出版社に自分の小説を書いて送ったところ、担当者から「君には才能がある」と連絡が入り、出版費用という名目で数百万円も請求されるというケースがあります。
もちろん実際に出版はしてもらえるのかも知れませんが、何も本屋さんの一番目立つところに置いてもらえるわけではなく、そしてより多く売れるためのマーケティングやバックアップをしてもらえるわけでもありません。
ただ出版費用を払って出版してもらうだけですので、それならばアマチュアの自費出版と同じです。

実際に出版されるなら詐欺ではないのでは?と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、才能があると嘘をついて出版費用を取ることが詐欺なのです。

本当に才能があるのであれば、出版社側はその本の売り上げで利益を得られるわけですから、作者から金銭を取る必要はなくその才能を売り出すために手を尽くしてくれるはずです。

詐欺ではないオーディションの例を挙げるとすると、役者オーディションなどは全うと言えるのではないでしょうか?
ある舞台やTVドラマの配役を決めるために開催される役者オーディションでは、合格者はその役をもらえるという分かりやすい結果が待っています。
その過程で金銭のやり取りなどあるわけがなく、そもそもオーディションというのはその後に金銭のやり取りなど介入するはずのないものであると考えてください。

なぜこの手口の詐欺は撲滅されないのか

それでは次に、なぜこの手口の詐欺が何十年も前から横行し、未だにメディアなどで取り上げられることも無く、さらに誰も被害者として声を上げないのか、2つの理由をご説明いたします。

この詐欺の巧妙なところは、
1.お金の使用目的は果たしている
2.被害者が騙されたと自覚しづらい(声を上げづらい)
という点にあります。

お金の使用目的は果たしている

仮にあなたが「詐欺に遭った!」「お金を騙し取られた!」と声を上げたとしても、お金が返ってくることはありません。
なぜならあなたが払ったそのお金は「ボイストレーニング代」「アーティスト写真撮影代」「プロデュース代」などの名目にされているからです。

それでは詐欺ではないのではないか?と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、デビューできるという前提をちらつかせてお金を払わせたのに、いつの間にか別の目的にすり替わっていることが詐欺なのです。

あなたは本来オーディションに合格し、デビューできると言われてそのためにお金を払ったはずです。
ですがいつの間にか「あのお金はボイトレ費用だよ」「作曲してあげた分のお金だよ」と言われ納得してしまいます。

あなたは最初からボイストレーニングに通うことが目的だったのでしょうか?
もしくは作曲のプロにお金を払って依頼して、自分の楽曲を作ってもらうことが目的だったのでしょうか?
それならば最初からボイストレーニングのレッスン教室を探したはずですし、作曲のプロに依頼をしたはずです。
結果的には確かにボイトレや作曲に対しての料金を支払ったのかも知れませんが、入り口をオーディション(デビューできる!)と掲げたことが詐欺なのです。

実際にボイストレーニングは受けることが出来るので、歌唱力自体は上がるかも知れません。
曲やPVを作ってもらえるので、その動画は公開してもらえるかも知れません。
しかし残念ながら、あなたが売れて人気歌手になる未来はやって来ないのです。


被害者が声を上げづらい

夢見た歌手になれるかも知れないと思いオーディションに応募し見事合格!

必要なお金は高額だったけどアルバイトを頑張り貯金を切り崩しなんとか支払い完了!

友人や家族にも「オーディションに合格したから来年デビューするよ!」などと言って回った!

みんな驚きつつも喜んでくれた!応援するよ、CD買うよなどと言ってくれた!

なのに実は詐欺に騙されただけ。
多くの人はその事実を恥ずかしくて認めることが出来ないのです。その感情から被害者達は泣き寝入りをするかあるいは騙されたことを自覚せず、該当会社を訴えるなどの行動を起こしません。
友人は「すごい!」と褒めてくれ、ご家族は涙を流して喜んでくれたかも知れません。
それが実は無知な自分が詐欺に騙されただけだとは、どうしても認められないのです。
そのため全く同じ手口の詐欺が何十年も横行し、今なお被害者が出続けているという現状です。

さらに、この手口の詐欺は人間の感情を巧みに利用しています。
人は「通常状態からマイナスに陥れられた」場合には被害意識を感じますが、
「プラスになれると思っていたのになれなかった」場合には大きな被害意識を感じません。

しかし金銭的には明らかにマイナスの被害を被っているため、あなたは間違いなく被害者なのです。
今後このような詐欺被害を減らすためにも、その実態をSNSに投稿するだけでも十分効果的ですので、何かしらの手段で声を上げる勇気を持ってみてはいかがでしょうか。

詐欺に遭わないための考え方~お金を払っても人気者にはなれない~

この詐欺手法は、夢見る若者やミュージシャンの卵を騙して金銭を搾取するという意味で非常に悪質ですが、数十年もの間まったく取り上げられることもなく同じ手口の詐欺が横行しているということは、どの時代にも必ず一定数の騙される人が存在するということです。

何度もお伝えしている通り、何よりも大切なことは、オーディションに合格したアーティスト側がお金を払うことはあり得ないという認識を持つことです。

そして、あなたが目指す歌手または人気者という言葉でも結構ですが、それは決してお金を払って叶うものではないということです。

人を感動させる歌手という存在はいつの時代もどんなジャンルにおいても、人々の悩みを解決し、臆病な心を後押しし、頑張っている人を応援し、大切な人に愛を伝えるなどして、聴衆の心を動かすことが出来る人のことです。
それは誰にでも出来ることではなく、限られた人だけが持ち合わせる特殊能力と言えます。
オーディションに合格してその後お金を払うことと、あなたにその力が備わることとは一切関係がないのです。

ご自身が歌手になりたいという願望をお持ちだからこそ、この手のオーディション詐欺に引っかかってしまうわけで、他の業界に目を向けてみると「そんなことはあり得ない」ということにお気付きいただけるかと思います。
例えばあなたの知り合いで30歳まで野球経験のない男性がいるとします。その男性がある日「プロ野球球団のオーディションを受けて合格した!契約金を1000万円払ったから来年からプロ野球選手になる!」と言っていたらあなたはどう感じますでしょうか?
「この人は騙されている」と感じるのではないでしょうか?

そもそも契約金とは、会社側がアーティスト側に支払うものです。
先程の例では、野球球団が選手に支払うものです。
あなたの将来を拘束し、我が社の売り上げに貢献してもらう代わりに、とりあえずこれだけお金を支払うから我が社に入って頑張ってほしい、というのが契約金です。

ご理解いただけますでしょうか?
歌手になりたいあなたはお金を払う側ではありません。歌手になりたいあなたはお金をもらう側になるはずなのです。

しかし、ご自身の活動が上手くいかず何年も芽が出ない方は、ついこのオーディション詐欺に騙されてしまいます。
藁(わら)にも縋る思いで飛びついてしまう気持ちは分からなくはないのですが、今までの活動でファンが増えていないということは、残酷な言い方をするとまだあなた自身に魅力がないのです。
当然ですが、魅力のない人がオーディションに合格してお金を払ったからといって、急に魅力的になって多くの人を魅了できるわけではありません。

きちんとしたオーディションには
・合格者は1人、またはごく少数
・合格者がお金を払うことは一切ない
・合格者は歌唱力、ルックス、パフォーマンスなど何かしら飛び抜けた魅力を持っている
・会社がアーティストを売り出すために尽力してくれる
といった特徴があります。

音楽の世界は実力の世界または才能の世界ですので、それまでに特に何の実績も無い方や専門的なトレーニングを積んでいない素人の方が、突然オーディションに合格して突然人気者になって・・・ということは絶対にあり得ません。
TVの音楽番組で新人歌手がいきなり有名になったり、YouTubeなどで無名の歌手がバズって話題になったりしていますが、彼らは決して「まぐれ当たり」などではありません。
それまでにしっかりとした下積みがあり、上手くいかない経験も数えきれないほど味わい、ついに1曲がヒットしたのです。
彼らの下積み時代を知らない人から見れば急に出てきたように見えるかも知れませんが、実力と才能の世界にまぐれ当たりは存在しないのです。

歌手デビューを夢見る方にとっては残酷なことをお伝えしているかも知れませんが、嘘の夢だけを見させられてお金を取られて結局夢は叶わない方が残酷です。
しっかりと現実を見て、地道な練習や活動を積み上げ、ご自身の実力で夢を掴み取ってください。

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