【ギター】コード構成音の落とし穴/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
本日はコード構成音およびギターならではのコードの落とし穴について解説させていただきます。
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下記のコード名は?

まずは練習問題です。


問1)下記のダイアグラムが示すコード名を答えなさい。


問2)下記のダイアグラムが示すコード名を答えなさい。


おそらく問1は「C7」、問2は「Aadd9」とお答えになった方が多いのではないでしょうか?
そのように答えた方、あるいは全く分からなかった方は、是非この続きの解説をお読みください。

コードの構成音を理解するためにメジャースケールを覚えよう。

コードの構成音を理解するためには、メジャースケールを理解の理解が必須となります。
メジャースケールとは、起点となる音から全全半全全全半の間隔で音が上がっていくことを指します。
例えばCメジャースケールの場合は、ドの音を起点にまずは全音上がってレ、次も全音上がってミ、次は半音上がってファ、次は全音上がってソ、次は全音上がってラ、次も全音上がってシ、最後は半音上がってドに戻ってくる、つまりドレミファソラシドのことを指します。

単純に「ドレミファソラシドがCメジャースケールだ」と覚えるだけでなく、全全半全全全半という間隔であることが重要です。

この原理で他の音を起点に始めると、
Dメジャースケール・・・D E F# G A B C#
Eメジャースケール・・・E F# G# A B C# D#
Fメジャースケール・・・F G A B♭ C D E F
Gメジャースケール・・・G A B C D E F#
Aメジャースケール・・・A B C# D E F# G#
Bメジャースケール・・・B C# D# E F# G# A#
となります。

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Cメジャーコードの構成音を学ぼう。

ここで、最も基本のコードであるCメジャーの構成音を学んでみましょう。

まずはルート音である5弦3フレットはC。
4弦2フレットはE、3弦0フレットはG、2弦1フレットはC、1弦0フレットはEです。

メジャーコードの構成音は1度・3度・5度なので、Cメジャースケール(CDEFGAB)の1番目・3番目・5番目の音はC・E・Gなので、このコードの形はしっかりと1度3度5度の音が入っています。


CM7(メジャーセブンス)の構成音を学ぼう。

次にCM7の構成音を学ぶことで理解を深めましょう。

まず、通常のCメジャーコードの構成音は先ほどの通りこのようになります。

メジャーセブンスの構成音は1・3・5・7なので、Cメジャースケール(CDEFGAB)の1番目、3番目、5番目・7番目の音はC・E・G・Bとなります。
現時点(通常のCメジャーコード)では7度の音が入っていないため、どこかの音を変更して7度(B)にする必要があります。
とは言えルート音(5弦3フレット)は変更できないので、2弦1フレットが上手く変更できそうです。
2弦1フレットを押さえている人差し指を離すことで、2弦0フレットのBになり、ちょうど7度が入ります。

こうすることで構成音が1度(C)・3度(E)・5度(G)・7度(B)と揃うことが出来ました。
これがローコードでのCM7の作り方です。

Csus4(サスフォー)の構成音から学ぶギターの構造上の落とし穴。

次に、CメジャーをCsus4(サスフォー)に変形する過程で、ギターの構造上の落とし穴を学んでいきましょう。
まずは通常のCメジャーをコードを作ります。

sus4(サスフォー)というコードは、メジャーコードの構成音である1度・3度・5度の中の3度を4度にサスペンドするという意味ですので、3度の音がなくなり1度・4度・5度という構成音になります。

ということは、もともとCのローコードには3度(E)の音が2つ含まれているため、両方とも4度にする、もしくは片方だけ4度にしてもう一方はミュートすることが必要となります。

例えばこの状態ではCsus4としては不完全です。
4弦2フレットのEを半音上げて3フレットを押さえたことで、EをFに変更、つまり3度を4度に変えましたが、1弦0フレットのEが鳴ってしまっていて、3度の音がまだ生きています。

全ての3度の音を消す、または4度に変更するには、下記の2通りのどちらかが正しいCsus4となります。

※1弦をミュートすることで3度の音を消している。


※1弦1フレットを押さえることで、Eだった音をFに変更している。

こうすることで全ての3度の音がなくなり、構成音が1度・4度・5度のみとなります。

Dメジャー・Dマイナー・Dセブンスなどから学ぶ構成音の仕組み。

ギターの構造上の妙はあるものの、基本的には構成音を変更していくことで大抵のコードには変更することが可能です。
この項ではDコードを軸に考え方を学んでみましょう。

こちらは基本的なDメジャーのローコードですが、まずは構成音を1つずつ見ていきましょう。
ルート音は4弦0フレットのD、3弦2フレットはA、2弦3フレットはD、1弦2フレットはF#です。

DメジャースケールはD・E・F#・G・A・B・C#なので、4弦0フレットのDは1度、3弦2フレットのAは5度、2弦3フレットのDは1度、そして1弦2フレットのF#は3度ということになります。


D→Dm

それではまず、このDメジャーをDマイナーに変更してみましょう。
マイナーコードの構成音は1度・3度♭・5度なので、1弦2フレットのF#(3度)の音を半音下げれば簡単に出来そうです。

D→D7
次にDメジャーをDセブンスに変えてみましょう。

セブンスの構成音は1度・3度・5度・7度♭なので、ルート音である4弦0フレットはそのまま1度の機能を果たしてもらい、2弦3フレットのD(1度)を全音下げることでC(7度♭)に出来そうです。

こうすることでD7になりました。


D→DM7
次はDメジャーをDM7にしてみましょう。

こちらは先ほどのセブンス同様、2弦3フレットのD(1度)を半音下げるだけで出来そうです。


D→Daug
次はDメジャーをDaug(オーギュメンティッド)にしてみましょう。

オーギュメンティッドの構成音は1度・3度・5度#なので、唯一存在する3弦2フレットのA(5度)を半音上げるだけで解決しそうです。

これでDaugに変更できました。

D→Ddim
次はDメジャーをDdim(ディミニッシュト)に変更します。

dim(ディミニッシュト)の構成音は1度・3度♭・5度♭なので、3弦2フレットのA(5度)と1弦2フレットのF#(3度)を両方とも半音下げれば良さそうです。

これで3度と5度が半音下がり、Ddimになりました。

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Gコードから学ぶ構成音の仕組み。

次にGコードを軸に色々なコードの作り方を学びましょう。

まずこちらが基本的なローコードのGメジャーの形です。
メジャーコードは1度・3度・5度、GメジャースケールはG・A・B・C・D・E・F#ですので、G・B・Dの3つの構成音が含まれています。

G→GM7
GM7の構成音は1度・3度・5度・7度なので、6弦と3弦と1弦に見られる1度の音(G)を半音下げることが出来れば良さそうです。
ルート音である6弦3フレットのGは変更せず、3弦0フレットのGはこれ以上下げることが出来ないので、1弦3フレットのGを半音下げると下記のようになります。
 

これで7度の音(F#)が含まれ、1度、3度・5度・7度の構成音が入ることでGM7となりました。

G→G7
次にGメジャーコードからG7に変更してみましょう。

今回は先ほどのヒントがあるため非常に簡単です。
セブンスコードの構成音が1度・3度・5度・7度♭ですので、1弦3フレットで押さえていたG(1度)を全音下げればFになり、7度♭の音になります。

これでG7の完成です。

G→Gsus4
この項の最後に、Gsus4を作ってみましょう。

sus4の構成音は1度・4度・5度です。
つまりメジャーコードの3度の音を4度にサスペンドする必要があります。
もともとのGの形に含まれている3度の音は2つ(5弦2フレットと2弦0フレット)ですので、両方とも半音上げて4度にする、あるいは片方だけを4度に上げてもう一方はミュートする、という形になります。


このような形にすると、3度の音がなくなり4度の音への変更が可能です。

問題の答えと落とし穴。

それでは冒頭に出題させていただいた問題の解説に移ります。

問1)下記のダイアグラムが示すコード名を答えなさい。


まずこのコードダイアグラムが示すコード名は「C7」として広く使われていますが、厳密に言うとC7になっていません。
より深く理解するために、構成音を1つずつ分析してみましょう。

既にお気付きの方も多くいらっしゃるかと存じますが、
構成音がC・E・B♭の3種類しかありません。
もともと3弦0フレットで鳴っていたG(5度)の音を3フレットに変更することでB♭(7度♭)にしたため、5度の音がなくなっているのです。

ですので厳密に言うとこの形はC7ではいのですが、ギターの構造上目を瞑ってこの形が多用されます。
ピアノなどの鍵盤楽器では4つの構成音を含むことは簡単なのですが、ギターではしばしばこういう場面が見受けられます。



問2)下記のコードダイアグラムが示すコード名を答えなさい。

これは「Aadd9」と答える方が非常に多い問題です。
まず、add9の構成音度数は1度・3度・5度・9度です。9度とは1オクターブ上の2度のことで、AメジャースケールがA・B・C#・D・E・F#・G#ですので、Aadd9を正しく構成するにはA・C#・E・Bの4つの音が必要となります。

しかしこれでは1度、2度(9度)、5度しかなく、3度の音が存在しません。
メジャーコードの3度を2度にサスペンドするコードはsus2(サスツー)ですので、この形は厳密にはAsus2となります。

最後に

いかがでしたでしょうか?
このようにコード構成音の仕組みを理解すると、1つ1つのコードを丸暗記するのではなく、体系的に理解しご自身で作り出すことが可能です。
他のコードも同様の仕組みですので、色々なコードで試して理解を深めてください。
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